370.政権交代による経済政策の転換
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 09/11/25(水) 11:56:11  返信も含め全削除

1.政権交代は、建設業界にどんな影響を与えるか
 政権交代によって、公共投資に対する考え方が大きく変わった。前政権時代の公共投資は、高度成長時代に考えられた手法で今日まで継承されてきた。今回の政権交代は、良し悪しは別にして公共投資に対する意義を大きく変えてしまった。国別の経済規模は国内総生産(GDP)で表現されているが、その内容は、個人消費に公共投資及び民間の設備投資を加えたもので表現されるが、景気対策としては、このGDPの枠を大きくすることである。従来はこの三者の中で公共投資を増やすことで景気対策が行われていた。今回の政権交代において「コンクリートから人間へ」という合言葉で、公共工事を減らして、児童手当等の個人向けの所得支援手法へ転換することになったのである。つまりGDPの枠の問題はともかくとして、その中身の構成割合を変えようというわけである。つまり従来型の景気対策では公共投資の枠の拡大政策であったものが、公共投資の枠を削減し、個人消費を拡大する個人所得支援型に切り替わったのである。

2.国民が選んだコンクリートから人間への選択
 国民の選択によって経済政策が大きく変わったのであるから、簡単にはこの施策を変更することはできない。つまりGDPの構成割合を変えたのであるから、仮に建設業界が強く求めたとしても、個人所得の支援枠を減らして、公共投資を増やすことはもはや不可能に近いのである。何故なら個人所得支援政策によって恩恵を受けた人々は、所得支援を前提として生活習慣が出来上がってしまうため、生活リズムも慣例化するのである。そのため簡単には変更することが出来ない環境下に置かれるのである。建設業界にとって厳しいことになるが、GDPの構成割合の変更はできないであろう。

3.建設業界に残された選択
 以上のような環境下で建設業界の今後の選択は、業種転換をするか、合併、廃業による業界からの勇気ある撤退が視野に入ってくる。しかし撤退の決断はよほどのことがなければできるものではない。残された選択肢は、企業の経営体質を根本から見直すことである。つまり、建設業界の環境変化に馴染む企業体質に変更することである。いわゆる企業の経営体制の再構築である。これにはよほどの覚悟をしなければならない。

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