372.政権交代で打ち出された今後の方向
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 09/12/9(水) 11:52:26  返信も含め全削除

1.新設工事から補修工事への転換
 先ほどの国土交通大臣の発言の中に、大型工事の中止、中断、凍結の宣言があったが、さらに新設工事を減らし保守・補強・補修工事等へ転換すべきとの発言があった。本来、新設工事から補修工事等への転換は、政権交代とは関係ないことであるが、大臣の口からきっぱりと転換が宣言された。この発言を改めて確認する必要がある。それは先進国が抱えている悩みの一つでもあり、社会資本への投資が一定量進めば、時の経過と共に補修工事等が出始め、日を追うごとに益々増えていくのは当り前である。新設工事はこれからも発注されるとしても、新設工事が無限大に発注されることはあり得ない。然るに過去の新設工事増大時代を経験した建設業者は、新設工事の亡霊にとりつかれている。そのため、補修工事等への取り組みに対する関心が薄いのはその表れである。この点を建設業者に尋ねると、新設工事は美味しい工事ガ多いが、補修工事等は不味い工事が多いという。確かに新設工事は利益の上がる美味しい工事らしいが、補修工事等が儲からない不味い工事とレッテルを貼るにはそれなりの理由があるのであろう。
  
2.補修工事が不味い工事となる理由
 新設工事に対して、補修工事等が本当に不味いのであれば、積算自体が不適切であるからである。もし積算の原因で不味い工事となるのであれば、これは発注者の積算に起因している。施工業者側の意見として、予定単価が低過ぎて採算が合わないというが、これは予定単価の低さに起因しているのではない。何故なら新設工事と補修工事等の決定的な違いは、新設工事は工事量が多いが比較的手間が掛らない。これに対して補修工事等は、工事量が少ないのに手間が掛る工事である。つまり歩掛単価は同じであっても良いが、手間の部分の歩掛が不適切なのである。同じ工事量の補修工事等であっても、作業環境が悪ければ作業時間は倍増する。つまり工事量が同じであっても、工事別に施工時間に大きな違いがあるのである。発注者としては、今後急増する補修工事等の積算は、工事別に施工時間を慎重に反映させる積算を考えなければならないのである。施工業者側も新設工事ばかりに気をとらわれないで、これから急増する補修工事等の効率化や新しい施工体制の研究する時期に来ていることを留意すべきである。建設業界としても本格的に補修工事等への方向転換が必要になったのである。

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