387.管理職としての現場代理人課題
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 10/5/14(金) 21:11:52  返信も含め全削除

1.現場代理人は管理職か
 現場代理人という管理職は、建設業界独特の制度であり、他の産業には見られない異質な役職である。管理職であることは間違いないが、一般的な管理職の概念とは異なり、所属する企業の扱いによっては経営者に近い概念を持っている。建設業の施工現場は、常に本社から離れた場所にあり、本社の管理下で施工することはない。施工内容も現場ごとに特色が違い、本社の指示で同一に管理することが不可能に近い状況下にある。したがって本社が現場のすべての施工管理に関与することは難しく、建設業界は昔から本社集中管理制度を採用できなかったのである。そこで建設業界は現場分散管理制度を採用せざるを得なかったのである。この現場分散管理制度を有効に機能させるためには、現場に強大な権限を持つ現場最高責任者を置かなければならなかったのである。この現場最高責任者が現場代理人制度である。現場代理人は日々発生するあらゆる問題を決断するため、大きな権限が与えられるのである。この現状によって経営者の権限に類似しており、現場代理人は、単なる管理職に収まらず、一般的な管理職の職域を超えた役職の状況が出来上がったのである。

2.現場代理人の欠陥
 現場代理人が経営者と同等の権限を与えられていることは悪いことではない。問題は与えられた権限が有効に機能することであり、責任も有効に作用することが必要である。問題は現場代理人としての職務が必ずしも有効に作用していないのである。第1に現場代理人の権限が過大化し過ぎている点にも問題があし、第2に個人の能力には限界があり、権限を与えても能力の限界を超えると機能はしないのである。そこで現場代理人には十分な補佐役を配置しなければならない。この現場代理人の仕事環境は、補佐役が異常に少ないのが現状である。したがって、最盛期の現場代理人の仕事環境は、寝ることも出来ないほどの異常事態に追い込まれることがある。この異常事態が起きる要因は、最盛期に忙し過ぎることにあるが、仕事環境の問題で仕方がないと諦める場合が多いが、補佐役の配置不足に起因する場合が多い。ではなぜ補佐役に異常な不足が起きるかといえば、現場代理人が補佐役を敬遠するからである。なぜ補佐役を敬遠するかと言えば、自分が磨いた技術技能を教えたくないとする意識が強く、残念ながら現場代理人の特性が大きく影響している。

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