396.中国のストライキと新しい社会現象
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 10/7/29(木) 10:18:46  返信も含め全削除

1.中国の一人子政策の波紋
 近年の若者問題とその対策は、どこの国でも課題を抱えており、日本においても苦慮している。近年の若者問題に、新しい側面が現れており大きな波紋を起すに違いない。近年の中国において発生したストライキ問題は、若者が関与した面白い社会現象である。従来型のストライキであれば、労働組合が中心となって、待遇改善等の労働条件の改善を求めて交渉が決裂すれば、労働組合が中心となって、ストライキまで発展する。然るに近年の中国のストライキは、必ずしも労働組合等の集団が中心となって起きるとは限らない。不満を持った若者が、携帯電話やパソコンの電子メールで不満を表明し、自己主張としての個人型ストライキ行動があり、それに同調して連鎖するストライキがある。過去の労働運動ではあり得ない現象であり、これから世界的に広がる新しいタイプの労働運動かもしれない。

2.新しい若者型行動とネット社会
 近年の若者行動の特色であるが、特に中国の一人っ子政策によって成長した若者は、過去の集団主義的な行動による労働運動とは違い、個人の主張は電子メールに共鳴して広がる現象である。じつに面白い若者現象である。この現象を好き嫌いで判断してはいけない。年配者にとっては居心地の悪い現象であるかもしてないが、現代社会における若者現象として起きているものであり、この現象は世界的にも広がりを見せている。現代社会における社会学的、必然現象と見るべきである。

3.人材移動が激しい時代
 集団行動としてのストライキであれば、集団の代表者と解決策の折衝が行われることになるが、ストライキの代表者が鮮明に見えない状況下では折衝は不可能である。これでは従来の労働運動で体験が役に立たないのである。これからは日本でもこのようなストライキが発生する可能性があり、経営者は今から対応能策を検討すべきかもしれない。近年の世界市場は、グローバル化による激しい競争が日常化してきた。そのため人材市場においても超能力主義化が進んであり、能力のある人材は移動が激しく、能力の低い人材は簡単に退職を迫られる結果になってきた。この傾向がストライキにどのように作用するであろうか。(次号へ続く)

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