<2>自分の能力を如何にアップするか
新規投稿者 地域経済研究所・阿座上洋吉  投稿日 12/22(日) 20:07:10  返信も含め全削除

1.日本人は30歳を越えると急速に流動性が悪くなる
 日本の賃金体系が長い間年令型になっていたため、中途で転職することは決して有利には作用しない。年令型の賃金体系は能力と賃金が一致しないため、永年勤続する方が有利に作用する。日本人の仕事ぶりは熱心であるが、転職等に関する自己投資をする必要性はなかったのである。そのため日本人は30歳を越えると急速に流動性が悪くなり、企業にしがみついて働くようになる。これに対して米国は、30歳を越えると日本とは逆に流動性が高くなる。それは能力主義の賃金体系のため自分の労働収入を上げるには、自分の能力アップ以外に賃金を上げる方法がなく自己教育投資を怠れないのである。能力主義の環境下では当然のことである。日本の年令型の労働文化では、米国のような自己教育投資の文化が育たないのである。

2.日本の労働文化にも本格的転換期がきた
 日本の労働文化は二つの理由で転換期がきている。第一の理由は、年令型制度から能力主義への移行が始まったことである。第二の理由は、近年は社会現象の変化が速いことである。世の中がゆったり変化した時代なら自己教育投資もゆっくり出来たが、近年の変化のスピードは、「10年一昔」と言われた時代とは違い、10年分の変化が数ヶ月で変化する時代になったのである。このような急激な変化時代は常に自己投資をしていなければ能力が劣化してしまい、変化の激しい時代を乗り切る方法がないのである。自分に与えられた仕事だけするのではなく、常に自分自身のレベルアップの教育投資も続けなければならない。このような変化の激しい社会は辛いものであるが、本格的に自己投資をしなければならない時代に入り込んでしまったのである。

3.生産性向上と地球レベルの労働観を
 バブル崩壊後は企業の倒産、リストラ、工場の海外移転等で多くの失業者が溢れてきた。近年の失業者が大量に出てきた理由は、単純な不景気だけの問題ではない。日本人の賃金が世界最高になったためで、世界巨大市場の中で競争力を失ったのである。今、大企業から中小企業まで工場の海外移転が止まらない。いわゆる産業の空洞化が本格化してきたのであって、日本人が大量に失業する時代に入ったのである。これからは自分自身の能力や労働観を地球レベルで通用するように、能力を高め新しい労働観で自分自身を再構築する必要があるのである。
    
4.深刻な失業対策と日本人の労働観(民間出資の雇用創出機構の動き)
 バブル崩壊後の失業者の急増に対処するため民間による「雇用創出機構」の創設の動きがあり、今日の日本の労働市場にとって大きな意義を持っている。時代は新しい人材を求めており、特に時代に合った新しい労働観が必要になってきている。これは地球規模のエリアレス化現象による世界共通の労働観が必要になったためであり、日本だけが世界から孤立した労働観が通用する時代ではなくなった。したがって、時代に合った新しい技能や技術を勉強することは勿論のこと、世界ビジネス市場に通用する労働観をしっかり身に付けなければならない。過去の日本の労働観では世界に通用しないことを認識し、新しい勉強に取り組まなければならない。

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