<10>本能の行動と冷静な理性の共存
新規投稿者 地域経済研究所・阿座上洋吉  投稿日 4/20(日) 17:18:30  返信も含め全削除

1.競争心と理性のコントロール
 人類の遺伝子に組み込まれた競争心の作用は、本能的に激しく現われる一方で、競争遺伝子は脳を進化させ、その進化と学習によって理性を作り出した。この理性は競争心をコントロールする力を持っており「イジメ」の抑制機能も果たしているのである。人類は本能的な競争心と冷静な理性が共存している生物である。本能的な競争心から派生する喧嘩を、冷静な理性によって公正・公平なルールを設け、喧嘩行為をスポーツとして仕上げている。しかも日常生活の中で溜まったストレスのガス抜きとしてスポーツを重要な役割を果たさせている。このガス抜きシステムを考案したのも進化した頭脳である。新しいものにチャレンジする勇気やコントロールされている競争心は本能的行動であっても良い例である。21世紀の人類が目指す幸せな社会は、このほど良い競争作用の仕組みとコントロールされた競争遺伝子の利用法かもしれない。社会で起きるトラブルが、どんな質の競争心が作用しているか、どの程度の強度を持っているかの現状認識とその分析力を持つことが必要であり、競争心の社会学的役割の研究することが現代社会の課題になってきた。

2.競争原理のイジメと仲良くしては
 人間には「他人に負けるな」という競争遺伝子が組み込まれている。いつでも競争原理が作用するため引き起こされる現象にイジメがある。したがってイジメが存在することを意識した行動が重要である。イジメは生物の競争という遺伝子が根源となっているため逃れることはできない現象である。競争のメンバー全員が同時に勝つことはありえないし、揃って負けることもあり得ないのである。そのため勝組み負組みが必然的に発生する。これがすべての生命体の摂理として作用する。競争心は、生物の進化や延命の道具として神からの恵みであるが、人類の本能的行動は激しいものであり特に食欲、性欲はその最たるものである。しかしイジメの抑制力として冷静な理性が共存している。このバランスが重要であり共に共存する運命にある。したがって社会学的にイジメが発生することを前提として、イジメ共存論を考えることがイジメ現象を和らげる唯一の解決策かもしれない。「うちには、イジメはありません。」ではなく、むしろ「イジメと共存しております。」とすることにより過度なイジメを防げることになるのではなかろうか。

3.競争心発散の仕組みとその誘導
 ヨーロッパ地方で5万人程度の小さな町で交響楽団を編成し、多くのスポーツのクラブ活動が盛んな町があるが、本能的闘争心をむき出しにした競技に熱中することよりも、適度な競争心の発散行為によって蓄積された日常生活のストレスを解消させることも重要である。近年の日本で始まった地域に根ざした各種の文化活動は、地域の住民が多くの文化活動に接することによって心のケアが保たれ、さらに地域のボランテア活動に参加する人が急速に増えており、新しい日本の地域の活性化につながるまちづくりも盛んになってきた。この日本の新しい動きは心の時代にふさわしい現象として地域に受け入れられてきた。

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