<21>人間社会の優位性の発現形態
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 7/6(日) 23:00:54  返信も含め全削除

1.競争心の発現形態(その1・自慢)
 人間はDNAに書き込まれた競争心の設計図の影響で様々な行動にでるが、その発現形態は様々である。暴力行為やイジメ等の行動となって現れる場合もあり、自分の優位性を主張して相手に勝とうとする自慢話もある。自慢話も競争心の表れで自分の優位性を主張する行動の一つである。競争社会の中で自分の方が相手より優秀であるとか、偉いと、強い等、上位にいるメッセージを出して自己の優位性を主張する行動である。この優位性を主張することも競争原理の作用であって、競争相手に勝ちたいとする行動の一種である。これは精神的な競争行為の一種で無意識のうちに用いている行動である。自分自身の優位性を直接自慢する場合もあるが、子供や孫の自慢、身内の自慢、親戚の自慢等一族の自慢も間接的に自分の優位性を主張している現象である。また同窓生や同郷人、出身地の人の成功者等の自慢話は、自分が所属している集団が上位にあるとの自慢であり、自分の上位性を主張する精神的行為の一種である。

2.競争心の発現形態(その2・謙遜)
 謙遜も優位性として利用する場合が多く見られる。謙遜とは、自分の正常な評価よりわざと下位の表現をすることにより、実態は上位に位置することの意識の裏返しで相手に表現する行為である。したがって相手側が謙遜している状況を認知してくれない場合は利用されない。そのため謙遜という行為は習慣文化として認知されているエリアでなければ機能しないから、謙遜は習慣文化として日常化している限定された地域でよく利用されている。米国のような文化が違う多民族の国では、謙遜どころか自分の強い部分を主張することが重要であって、自分の本当の意思を優先させなければ生きて行けない社会では謙遜が通用しない。多民族の国では謙遜は損するように作用する場合が多いのである。

3.相手の優位性を表現する
 人間関係を良くするために相手の優位性を発信する場合がある。相手を褒めることは、相手の優位性を表現するからDNAの競争心は満足し精神状態が安定する。これはイジメの反対行為であるが、良し悪しは別にしてこれほどまでにDNAの競争心が強烈に作用しているのである。子供の場合も良い部分を褒めて子供の優位性を認めてあげることが、子供の優位性の部分を伸ばすチャンスになるし精神的にも安心感を与える。他人の場合も相手の優位性を認める行為は、相手に優しいとまで感じさせるがこれもDNAの競争心が作用している。

4.中立意識の重要性と優しさ
 人間はDNAの競争遺伝子の作用で常に勝ち負けにさらされて揺らいでいる。弁護士の中坊氏が子供時代に学校の先生が父親に「貴方の息子は勉強ができないから親から勉強するように言いなさいと」と言われた時に父親は、その教師に「うちの息子の頭の器(うつわ)であるからできなくてよい」と言ったそうである。そのくらい子供時代は勉強をしなかったそうであるが、中坊氏は子供時代の落ちこぼれ体験(本人談)があり、この経験が後に他人に優しくできる根源になったという。その意味で負けた立場を経験したからこそ、強者、強者に関係なく中立意識が醸成されたそうで、冷静さと中立意識こそ人間に公平で優しい行動がとれるのであろう。

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