<23>競争遺伝子は各種の形態で発現する
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 7/20(日) 23:04:07  返信も含め全削除

1.人間は二つのルールに挟まれて揺れ動く
 DNAに組み込まれた競争遺伝子は人類が進化するのに重要な役割を果たしてきた。特に人類にとって自分を優位にするため頭脳まで進化させてきた。この脳による進化で精神文化を発展させた人類は、多くの楽しみを享受するようになった。しかしDNAに書き込まれた競争心の設計図には「負けたままでは生きられない」と設計されているため、人間として好ましくない暗い部分も背負うことになった。動物的本能の行動と理性による揺れである。もし人類が他の動物と同様に本能だけで生きるとすれば、性や衣食住等すべての行動が弱肉強食の行動となり、本能的行動で揺らぎがない規律が行動していたに違いない。しかし人類は頭脳を進化させたために精神文化としてのルール理性を創り出し、人類の行動を第二のルールとして創り上げた理性の規律が作用している。第一のルールは他の動物と同様の本能的ルールであるから激しく作用し、これをコントロールする道具として第二のルールが作用する。このなかで人間は常に揺れ動き悩んでいる。

2.競争心による優位性主張の形態
(1)軽い悪口・陰口も自分の優位性の主張
 悪口・陰口は、個人の間でみられる現象であるが、これも自分の優位性を主張するため他人の悪口・陰口を無意識に用いている。したがって自分の優位性の主張するものであるから、他人を本格的に攻撃するまでには至っていない場合が多い。悪口、陰口はその場にいない第三者の行為や習慣文化を非難することで自分の優位性を主張する行為である。これによって相手が悪いとか自分より弱いと主張し、自分には落ち度がなく正当であると優位性を主張する行為で、競争遺伝子が大きく作用している。

(2)チクリ・暴露等の内部告発
 所属する集団で自分の優位性が保たれない場合に起きる現象で、自分にとって不本意な事柄を内部から告発する場合がある。悪口・陰口の主張は軽い主張の場合が多く、その相手を傷つける意図は少ないが、チクリ・暴露等の内部告発は、ターゲットとなる人物に直接的ダメージを与えることを意図した攻撃である。したがって内部から攻撃する立場のものは、精神的に攻撃態勢を整えて行為に及ぶため強烈に発現する。このように悪口・陰口の軽い行為に対して、チクリや暴露は重い行為となる。これも競争遺伝子が大きく作用している。

(3)扇動等による集団的発現形態
 集団内でストレス蓄積者が大量に発生する場合がある。集団内で共通なストレスが共有する状態になる場合がある。仲間に共通のストレスが発生する場合はエネルギーが異常に蓄積し、大きな爆発となって現われる場合がある。この爆発には様々な形態があり、ストレス蓄積集団の中から過激なリーダーが生まれた場合は扇動として現われ、ストレス発信源に対して打撃を与えようと集団攻撃の体制が出来上がる。合法的な現象としては労働組合のストライキであろう。近年はこの現象にも変化が現われてきた。従来型の日本人は集団所属の意識が強くこの集団攻撃が多かった。近年の若者は集団所属意識が希薄な個人主義者が多く、集団離脱が増えてきた。個人主義者は内部告発型の行動が多くなっている。これも競争遺伝子の作用である。

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