<27>管理職による競争遺伝子の活用法
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 8/17(日) 11:29:07  返信も含め全削除

1.リーダーの役割と意識改革
 近代経営におけるリーダーの役割が大きく変わろうとしている。そのためリーダーは積極的に新しいリーダーの研究や教育を受けなければならない。その大きな理由は二つある。第一の理由は、現在の管理職は若い時代に上司の命令で一生懸命働いた経験はあるが、上司から良質の指導を受けた経験が少なく、質の悪い強引な命令手法の全盛時代に育てられた。したがって部下に対しても質の悪い命令はできるが、良質な指導はできないように仕上げられてしまった。命令や指揮、指導、支援の道具を仕事の内容や状況によって適切に使い分けるためには、リーダーとしての専門的な教育や訓練を受けなければならない。
 第二の理由は、近年の管理職と若者はあまりに世代別価値観が違い過ぎる。この価値観が違う若者に対して命令や指揮、指導、支援を適切に使い分けは簡単なものではない。近年まで続いた人的ピラミット型組織は、権力の上下垂直型組織でもあり過去の命令中心時代の組織である。現代若者は命令を最も嫌う人種でありピラミット型組織の管理手法には馴染まなくなってしまった。形式的にはピラミット型組織は残っているが、従来のように機能している企業はほとんどなくなった。近年はネット型の水平型組織が主流となってきているし、管理職は水平な立場で支援中心のマネジメント機能を発揮する能力が要求されてきた。

2.自由主義時代の競争遺伝子の作用
 いつの時代でも管理する者と管理される者に分かれ上下の人間関係になるが、管理も適切に機能していればよいが、人間は基本的に自由を求めており管理されることを嫌うのである。これは競争遺伝子の作用であって常に他人に勝とうとする本能の作用である。共産主義の計画経済の管理の仕組みも同様であって、人類の基本的特性に管理が合わないのである。今日のように良質の情報が個人に伝わる時代は、他人に管理されるより自分が所有する情報によって意思決定し自由に行動したくなるのである。子供をみても小学生時代から親や先生の管理下から離れて自由に行動したがるのは、大人も子供も同じであろう。昔の子供ように親や先生以外の情報がなかった時代は別として、今日では情報が直接子供に伝わる時代であり、子供は自分が入手した情報によって自分で考え自分で結論を出し自己主張によって行動する。これを親は子供の反抗期と言って困っているが、自己主張する内容が親の基準に相違するだけで、反抗期のない子供では自立性が育っていないことになる。反抗期は精神的成長段階で必然的に起きる重要な過程である。情報化社会では子供に対する対応も一方通行の命令ではなく、水平型の指導に重点を置かなければならない。命令しかできない親や上司の側に問題がある時代となったのである。

3.命令手法から支援手法への切替が必要
 人間の競争遺伝子を前提にすると、反発を受けやすい管理手法から、負担感を伴わない支援手法への切り替えが必要になってきた。人間は管理されることは不本意であり、支援されることには反応が良いからである。しかし長い間続いた威圧的な管理手法からは簡単に抜け出せない。新しい経営思想による支援手法の研究も始まったばかりで未熟である。しかし、人間の競争遺伝子の特性を考えると人間が「いきいき」仕事をする環境には支援思想の手法が重要であることは間違いない。近年の支援思想の成功例がそれを証明している。

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