<39>競争のビジネス文化が弱い日本社会
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 11/9(日) 09:59:54  返信も含め全削除

1.日本のビジネス文化の変貌
 日本の市場経済は近年激しい競争の様相を呈してきた。いよいよ日本の市場も通常の市場経済の法則で動き出してきた。一方で世界中の市場経済が米国型市場経済に似てきたと言われている。この様な現象を米国が自国の制度を押し付けているという言い方があるが、決して米国が他国に押し付けているわけではない。日本は島国という地理的環境の中で、棲み分け論や共生論といった社会主義的な思想をベースにしたビジネス文化を好んだが、世界経済の常識的市場経済とはかなり相違し、日本独特の市場経済が出来上がった。この日本独自の市場経済は本来の市場経済とは異質なものであり、外部とふれあいの少ない時代であれば通用したが、地球規模のグローバル化した時代には日本独自のビジネス文化が通用しなくなってきた。そのため日本のビジネス界は通用しなくなったことを自ら感じ取り、日本が自ら米国型ビジネス文化に接近せざるを得なくなったのである。

2.世界の市場経済の原理をもう一度確認しよう
 以前にも述べたことであるが、米国は多民族で建国したため多民族に受け入れられるビジネス文化の価値観を創造しなければならなかった。これが米国型市場経済のビジネス文化の思想である。前世紀末に始まった地球規模のビジネス文化の交流によって、米国型ビジネス文化に非常に類似する現象が世界各地で起きた。この現象は米国が押し付けたものではなく、諸外国が日本と同様に勝手に米国型ビジネス文化に類似する現象が起きたのである。世界中がグローバル化の現象によって多民族化が始まり、そのため多民族に差別化しない市場経済の共通のルール「良いものが安く」が必要になった。この共通の市場ルールが非常に厳しく世界中に作用し始めてきたのである。日本は世界一の賃金レベルであるから特殊のものを除くと「良いものが世界一高い」状態になったのである。いまや世界経済は完全に一体化しており、地球規模の世界巨大市場ができ上がったのである。この世界巨大市場の中で「良いものが安く」という当たり前の市場論理で動き出したのである。しかも市場経済の基本原理である「一物一価の法則」が地球規模で作用してきたから、日本経済もその影響を受けており、従来型の単純な景気循環説で言われたデフレ現象とは異なり、地球規模で良質で安い製品が駆け巡る時代であり、景気がよくてもデフレ現象に悩まされる時代を人類は始めて経験することになったのである。

3.通常の市場経済で生きられない日本人
 日本は、過去に経験したことがない強烈な競争原理の経験をさせられている。特にローテク産業は世界中の低賃金国と競合してきた。しかも賃金体制が長い間年令型の弱競争制度がベースになっており、仲間同士で能力主義という強い競争関係の経験が少なく、近年徐々に始まった能力主義の賃金体制にもなかなか馴染まないのである。少し競争原理を入れただけで精神病者が急増するし、少し負け犬状態になれば自殺者が続出する。やはり長い間続いた日本独特の社会主義的人事体制が我々の身体に染み込んでしまって、世界の常識的な通常の市場経済では生きられないのであろうか。

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