<67>建設業界のISOの活用
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 5/23(日) 13:33:17  返信も含め全削除

1.グローバル化時代の見直し
 市場経済の競争が激しくなってくると品質競争に勝つために、QC活動やTQC運動等が盛んになり、争って品質向上を図り競争に勝ち残ろうとする。20世紀の市場経済の争いは安くて高品質の争いであった。更に20世紀末になると地球レベルのグローバル化現象によって、経済活動は国というエリアの壁が溶けて、地球規模の市場経済となり完全に世界市場が一体化してしまった。このグローバル化した時代の市場経済の特色は、地球上のあらゆる国のすべての企業が競争相手となったことであり、従来のような国内だけの競争時代と違って、地球レベルの大競争時代に入ったのである。過去の世界ビジネス界にとって経験したことのない激しい競争の市場経済を体験した。人類にとって歴史上初体験の「世界巨大市場」は、人類がコントロールできない巨大経済システムであり、経済理論、経営理論等すべての理論を見直す時期にきている。

2.品質、品位、規格の統一化が要求される時代
 市場が地球規模で一体化した時代の競争の特色は、国のエリアを越えて取引が盛んになったことであるが、同時に生産行為までも国のエリアを越えたシステムで動き出した。特に組立産業においては世界中から最高の品質で最低の価格の部品を調達することが競争に勝つことであり、必然的に部品の生産が特化し世界分業化が激しく進んできた。このような時代になると従来型のような全部品の生産から完成品までの生産方式を、自社完結型生産方式時代の品質管理システムの機能が低下し、国際標準としてのISOの要請が高まってきたのである。しかも組立産業自体も賃金の安い発展途上国に移転する競争も激しさを増してきた。このように今日の世界経済は、計画設計、部品生産、組立生産等すべての分業が盛んになり、しかも地球レベルで分業化が特化しながら大きく流動化している。このような時代には品質に止まらず品位や規格等あらゆる面の標準化が必要になっており、ISOが益々重要な役割を果たす時代がきたのである。

3.建設業界のISOの活用について
 建設業界には従来からISO無用論があった。それは国際分業が進んでいる商品生産業界とは違い、その必要性がないという理由である。同じ規格品を大量に生産するという生産業界とは違い、ISOのように単純に品質、品位、規格等を標準化するシステムが馴染まないという主張である。たしかに建設関係者が主張する点にも一理はあるが、その上で建設業界にISOが要請される理由は何か。建設業界は「一つとして同じものを生産しない」という理由で作業の標準化はできないと主張する。これは言い訳に過ぎないのである。現場作業の手順や作業行為は、細分化すると単純な作業の連続であり標準化することは容易である。建設業界が作業の標準化が進めばミスやロスは大幅に減少するはずである。現場の作業を細分化して見ると同じ作業の繰り返しの作業が非常に多いものである。毎回ほとんど同じ作業なのに、毎回現場に出てから考えて作業の手順や作業行為している。作業標準をマニュアル化しミスやロスを削減することの重要性を認識しなければならない。

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