<107>人生のリズム変化と超高学歴化現象
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 3/6(日) 10:38:22  返信も含め全削除

1.学歴社会に大きな異変が起きている
 長く続いた学歴社会に大きな変化を向かえようとしている。近年なぜ学歴社会に異変が起き始めているか。それには幾つかの要因が考えられる。第一の理由は、万人が希望すれば大学に入れる時代になったことにより、大学卒業というレッテルが能力という差別化として機能しなくなってきし、今や大学を卒業しても必ずしも以前のように有利な就職条件にはならなくなってきた。ひと頃の有利性は薄れてきたことは確かである。また大学に入るまでは勉強するが、入学後はアルバイトと遊びに明け暮れる学生も多く、所定の学力を身に付けることを怠っている学生も多くなれば、社会が高い評価するわけがない。学生自らが学歴を放棄している結果となってしまった。今や社会は成果主義という実力の世界で進んでおり、徐々に学歴社会を軽視する方向へ動き出してきた。企業の人事担当者によれば大学間の学力格差も含め、採用時に人材の素質の判定程度は参考になると言っており、過去のように学歴と能力が連動していた時代とは大きく変化してきた。

2.人生3分の1の人生リズムと超高学歴化
 人間は、人生の3分の1を子供時代として過ごす人生リズムを持っている。この子供時代を教育期間として利用している。したがって人生50年時代の3分の1は16〜7才となり、この子供期間が高校卒業までの教育期間に一致する。そのためほとんどの子供が高校まで進学するようになった。それが近年、更に人生80年時代となり、80年を3分の1にすれば27才程度になる。最近の若者はなかなか大人にならないといわれているのは、大学を卒業しても22〜3才では子供であり大人にはなれない。フリーター等の職業意識も希薄になり、若者はなかなか大人に成りきれない証拠であろう。結婚年令も30才代以上が急速に増えてきたし、いよいよ人生80年時代の人生リズムが動き出したようである。子供時代が16〜7才の高卒時代は過去のものであり、大学卒業どころか大学院卒業時代までが子供時代になったのである。既に大学院生が大学生より多い大学すら出現してきた。超高学歴社会は人間の一生のリズムである3分の1の子供時代の延長に過ぎないのである。大人になってからの中間点54才であるから、中年という概念すら若返っていることも忘れずに。

3.超高学歴化時代は益々能力主義化が進む
 超高学歴化は、必然的に教育が専門分野に特化してくる。専門分野が特化してくると単純な学歴による判定が出来なくなり、専門分野の能力レベルの判定が社会の基準となる。時代はまさに能力時代の幕開けであり、超高学歴化が進む中で一挙に能力主義社会へと進む気配となってきた。従来型の年令によって仕事内容が決まることや、年令によって役職や賃金が決まる制度は、市場経済には通用しなくなった。能力主義の賃金である成果型賃金へ移行する環境が整ってきた。今こそ年令型の社会主義的労働価値観から脱却し、市場経済型賃金体制に本格的に取り組まなければならない。人材は能力という商品価値を適正な価格で売却するシステムであるから、新市場主義の時代は当然の方向である。世界の中で日本はこの点でかなり遅れてしまった。

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