<115>日本のスタッフ養成は可能か
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 5/8(日) 12:37:33  返信も含め全削除

1.日本は経営スタッフが育ちにくいのは何故か
 経営管理上のスタッフとは、現場の実行部隊に対して後方部隊に位置し、現場の実行に対する指導や支援の役割を果たす仕事である。日本の人材育成システムは、入社時に現場で作業を体験し、年令が上がるにつれて役職が昇格し、スタッフとしての役職につくのが一般的である。これが日本の年功型の終身雇用制の特色伴っている。これは日本人にとって一般的な姿であるが、諸外国と比較すると大きく相違している。例えば、中国やロシア等の旧共産圏では、計画経済の時代の人的二重構造が市場経済時代にも続いている。現場で作業する人を工人といい、工人を管理するひとを幹部といい、工人と幹部は永遠に混ざることはない制度で、工人は一生工人のままで働くようになっている。したがって日本の幹部のように若いうちに現場作業の経験し、後に幹部になるような制度ではない。米国においても現場作業員は職種的に労働組合が存在し、その所属する職種をめったに変更することがない。そのため特定の職種で職につくことから就職とよんでいる。よく言われるように日本では就職ではなく就社であるから、日本では職業を選択してから入社する制度になっていない。

2.日本の人材制度の強みと弱点
 日本の幹部は、若いうちに現場作業の経験をさせられるため、幹部は現場の経験者であり、これが幹部の強みとなっている。そのため幹部になってから現場指導を適切にすることができるのである。しかしこの点は同時にマイナス要因にもなっている。スタッフとしての役割を果たす立場になっても、現場作業そのままの感覚や思想を引きずりスタッフのポストにいるだけで、スタッフの役割を果たせない人が非常に多い。これは当然のことで日本にはスタッフとしての養成システムがないのである。スタッフには指導力や現場支援力が要求されるが、その素質や技量がないまま、しかも教育も受けずにスタッフのポストにつくのである。その結果、適切を欠く命令を出したり、意地悪な行為になってしまう場合が多いのである。スタッフの養成が急務であることを示している。

3.日本の職業観の良し悪し
 日本では就社であるから、当初の職種は決まっていない。現場を経験し各種の部署の経験をしてから昇格していく制度である。その仕組みは「何でも屋」の人材を育成する制度としては優れているが、特化した専門職を育成するには不向きである。そのため専門化したスタッフができ上がる環境にはないのである。グローバル化した市場で生き抜くためには、高度な専門職としてのスタッフが益々必要とされている。唯一日本にある職業の分類として、技術屋と事務屋という分類が使われているが、このような分類はでは専門職としての分類ではなく人種差別に近いものになっている。大学においては理科系と文系に分けており、日本人の職業観は大分類の二分しかなかったのである。しかし、社会は高度なスタッフとしての専門職の要請が強まり、いよいよコストコントローラのような専門職を意識して育成しなければならない時代がきたのである。

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