<119>社会規範としての公平公正の基準
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 6/5(日) 16:43:42  返信も含め全削除

1.人脈ビジネスと不公平観の台頭
 社会全体がオープン化の方向に動き出し、益々情報が公開される時代になってきた。そのため民衆に対して多くの情報が公平に伝わるようになってきた。本来、生物は原始の時代から情報には敏感であり、身の危険や食料入手の情報は生命維持のためにも重要なものであった。特に人類にとって情報は大きな価値を持っており、人的に親密度の高い関係を作って伝達する人脈を重視することが多かった。この時代は人脈によって質の高い情報が受発信され、人脈が重要な情報入手の手段であった。これを人脈ネットワーク社会という。一方、IT化の進展による高度情報化社会が出現し、長く続いた人脈の人間関係に希薄化現象を起こしてきた。このようにIT化による高度情報化社会の出現は、人的繋がり重視の人脈ビジネスを必ずしも必要条件とはしなくなりつつある。しかも過度の人脈ネットワーク社会は、限定された特定の仲間によって形成されるため、仲間以外には情報の格差が生じ、差別化問題まで問われるようになり、不公平不公正のレッテルまで貼られるようになってきた。

2.公平公正の基準が社会規範となる
 一方、近年の民衆の視点に公平公正の基準が強く主張され、社会規範として大きな影響力が出てきている。そのため人脈ネットワークは時代の価値観が後退し、ビジネスの中では過度な人脈ビジネスを許さない環境へと変貌してきた。人脈とは人間の情緒的関係を保つために重要であることは間違いないが、これはプライベートな人間関係には益々重視されているが、ビジネス界の人脈ビジネスは益々薄れており、ドライで公平公正の基準が厳正に作用する傾向が強くなってきた。これは情報化社会による公平公正の基準が作用する環境が整ったためであり、民衆が公平公正のモノサシで判断し行動するようになり、公平公正の基準は社会規範として地球規模に広がりを見せてきているのである。

3.長い間続いた人脈による談合も公平公正の基準には勝てない
 長い間続いてきた仲間による談合環境が、ここへ来て全国で一挙に崩壊の兆しが出てきた。そのきっかけとなった要因は、公共投資の急激な減少であることは言うまでもない。予想を超える急激な工事量の減少により経営の不安定化を招き、仲間による話し合いによる調整が出来ない状況に追い込まれてきた。また、仲間による話し合いついても少しの公平を欠いただけで内部告発にまで発展してしまい、仲間の中から崩壊させる要因を自ら作り出してしまった。これも大きなうねりとして公平公正の基準が社会規範となった動き出した側面であるとみるべきである。このように公平公正の基準が大きな社会規範として作用するようになったのである。これからは業界自身も公平公正の規範により行動するより他に方法がなくなったのである。このうねり益々強烈に作用する方向に動きだしており、これからは公明正大に民衆の前で堂々と行動する以外に方法はないようである。下手に小細工すると企業自身が命取りになりかねない状況である。

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