<133>日本的経営の反省期<その3>
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 9/11(日) 08:51:36  返信も含め全削除

1.終身雇用制度が崩壊するもう一つの側面
 終身雇用制度が崩壊するもう一つの要因に、日本人が大きく変化したことが上げられる。人間は動物であるから本来自由に行動したい特性を持っているが、入職時から一生仕事(職業)を変えることはいけないという習慣文化は、本体の動物の特性には合わないのである。自分が描いた夢や希望は簡単に成功するものではないが、多少の期待は持っているものである。人間は入職時に仕事のミスマッチすることは当然起きるし、当初から適切な職種に在りつくことはむしろ例外であろう。その点で一生の仕事(職種)を変えずに満足できるひとは、ごく少数のひとで幸せなひとである。過去の日本には比較的に一生の仕事を変えないひとが多かったが、近年の労働市場の変化により、自由な職業の選択が可能になってきたし、転職についても以前のような社会環境とは大きく変わってきた。

2.自由人の増加による労働価値観も揺れている
 経済的に豊かになると仕事の選択についても自由な選択の範囲が広がり、それに対する教育機関の対応も変化しまた充実されてきた。社会的環境も自由な仕事選択が可能になってきたし、社会も自由な職業選択を容認してきた。この時代に育った若者は当然のように時代に合った行動をするのは当たり前で、これを根性論で片付けてはいけない。もし昔のように一旦入職した仕事について、賃金が安く辛い仕事が一生続いても、その仕事を止めることは根性がないからだ。という意見は現在では通用しないであろう。現在の日本の世代別の労働価値観はこの点が大きく相違していきた。だからと言って適切な職業にあり付けるかどうかは別問題であるが、今の若者は可愛そうなぐらい悩み揺れている。これは社会的変革期における社会全体の労働価値観の揺れに起因している。

3.自由人の増加がミスマッチの予防に貢献する
 入職時のミスマッチがあっても、一生我慢する労働価値観から脱出し、自由に自分の職種を選択できる社会の方向は決して間違ってはいない。今日のように自由人が増加し、自分の目標とする職業の意識が強く持てる時代は、過去の日本には存在しなかった。フリーターと言われる自由人の中には、問題視される人も多く色々定義されているが、中には心が豊かで優秀で真の自由人がいることも確かである。このタイプの自由人は決して自分の職業についてミスマッチはしない。だから能力発揮もするし世界で通用する人材として評価されるのである。日本の若者の中にこのようなたくましい若者が増えているし、何よりも社会的環境がこのような労働環境を提供してくれることが重要である。日本が世界に通用するには過去型の労働価値観ではなく、新しい労働価値観が生まれようとしていることを注視すべきである。

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