<173>交換経済時代の魅力と経済規模の拡大
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 7/2(日) 15:18:08  返信も含め全削除

1.市場経済における努力の原型
 人間は、なぜ努力するか。本能的に自分のDNAを子孫に残し、生命体としての固体のDNAが承継されるように設計されている。そのため生存競争に勝つため努力するように設計されている。自然が提供してくれた果実等を採取した時代は、その食料が競合する種類や相手が多ければ、当然、競合する動物間で争いが起き、自分も他の動物の食料としての対象になるのである。争いが個の努力で解決できない場合は、集団化して競争に勝つため努力する。民族としての集団化や宗教による集団化、国としての集団化、企業としての集団化、地域ごとの集団化、同窓による集団化、出身地による集団化(県人会等)等、弱いものは各種の共通点を求めて集団化し、強いものに立ち向かう努力をする。人類の集団化の原型は、採取時代から必然的に起きる本能的な現象である。この努力が激しい競争を引き起す要因にもなっている。市場経済の競争の原理は、人間の努力は自然の摂理としての現象であり、経済の拡大現象も人類の本能的な努力行動で拡大するのである。

2.交換経済時代の経済規模の拡大
 経済の規模を簡単にいうと交換の総量を指すものであるから、交換取引がない自給自足の時代は、経済の規模の表現はできない。交換経済時代に入ると自家消費を上回る部分が他の物品と交換されるため、交換物の量として経済の規模が判定できるが、原始的交換の場合は、物々交換であるから総量を計るモノサシ(貨幣価値)がないため判定できない。しかも、交換は等価交換であるから、価値が等価にならなければ成立しないため、交換経済時代の規模拡大のブレーキとなっている。このブレーキが貨幣を生む原動力となったのである。

3.魅力的な交換経済の体験
 自給自足の時代から交換経済に移行する段階では、自家消費を上回った部分の交換物は、決してバランスがとれた量ではなく、未成熟な交換経済時代であった。しかし、物々交換を体験した人類は、その魅力に執りつかれ拡大の一途をたどっている。交換による物質的豊かさは、自給自足では味わえない魅力的なものであり、その魅力が経済拡大の原動力となっている。動物本能の競争遺伝子の作用は、生命維持の争いから豊かさへの競争となって、今日の市場経済のベースが出来上がっている。

4.貨幣経済への必然的転換
 物々交換の欠陥を補うものとして生まれたのが、貨幣とうい交換手段である。貝殻、石、金銀等が貨幣の役割を果たすことになり、交換は貨幣を媒介として行われるようになった。この貨幣の出現は、交換の総量を一挙に拡大し、今日の経済規模拡大の基礎となったのである。この貨幣の出現は、交換の利便性や簡便性があるため、交換経済のエリア拡大を誘発し、今日のグローバル化社会の市場経済へと発展したのである。

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