<194>いじめの定義論で揺れる関係者
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 06/11/26(日) 12:36:48  返信も含め全削除

1.近年のいじめ定義論
 近年いじめについて、その定義について大人の関係者が揺れている。過去にいじめの定義について揺れた時代があるだろうか。近年のいじめは、それほどまでに悩みの深刻さを物語っており、関係者の方々が混乱しているのかもしれない。何故、これほどまでにいじめの定義で揺れるのであろうか。その要因のひとつに関係者の方々が自分の子供時代に体験したいじめと比較することに問題があるのである。過去と現在発生しているいじめが現象面で違うとは思えない。いじめは、優位な立場にある者が弱い立場の者に対して、肉体的精神的に威嚇し、弱い立場の者に大きなダメージを与えるための全ての行為をいうのであって、いじめの概念自体は、古今東西普遍的なものである。それでは今、何故いじめの定義について揺らぎだしたのであろうか。

2.いじめによるダメージの感じ方が変わった
 いじめの現象は、威嚇をする立場と、いじめの受け手の立場に分けられるが、近年のいじめの大きな特色は、いじめの威嚇側の問題ではなく、いじめの受け手側が感ずるダメージの大きさに問題がある。つまり、近年のいじめ現象の特色は、受け手側の感じ方が過敏で、大きなダメージを受けてしまうことにある。したがって、第三者である関係者が認識するダメージの度合と、いじめを受けた当事者のダメージの感じ方にズレ(差異)が生じている。したがっていじめの概念や定義が変わらなくても、現代のいじめ問題は、受け手側の感じ方が敏感で、強烈に受信してしまい死に至るまでのダメージを受けることが、過去のいじめ問題との相違点である。

3.いじめの受け手側の子供に何が起きているか
 いじめの受け手側の子供が何故強烈に反応するのか。この点に、現代いじめ論のすべての要因が潜んでいる。いじめの問題を議論している関係者が、自分の子供時代に体験したいじめの概念と、現代子供社会のいじめ行為が同じ内容であっても、何故近年の子供は強烈にいじめを感ずるのであろうか。この受け手側の子供社会に大きな変化が起きている。受け手側の現代の子供が、なぜ大きなダメージを受けてしまうのであろうか。いじめの内容や強度が、過去と同じ程度のものであっても、昔の子供は耐えることができたが、現代社会の子供達は耐えられないのである。

4.いじめに弱い現代子供
 現代の子供は、日常化している通常のいじめであっても、強烈ないじめとして受信し、これらの行為に対応することができないのである。残念なことであるがいじめを受けると、いじめの現場から逃げ出し登校拒否をするか、大人であれば宗教に救いを求めるか、最悪な場合は精神病になるまで自分で自分を攻撃し、自分を精神病になるまで追い込み、やがては自殺にいたるまで追い込んでしまう。こんな状態を親や先生に相談しても、昔であればいじめの概念には当らないと言われ、助けてくれないのである。では昔の子供は精神力や我慢強くて、現代子供は弱虫かと言うとそうではない。現代子供社会における生い立ちや育ちからくるもので、現代社会の子供の育ちに関係があるのである。
<次回は、いじめに弱い現代子供論を展開する。>

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