<209>いじめと類似するいたずら
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 07/3/11(日) 13:32:28  返信も含め全削除

1.いたずらについて
 いたずらを漢字で書くと悪戯と書くことから、悪いことをして遊ぶ行為を言うのである。例えば落書き等大人が迷惑になるようなことをして遊ぶため、昔から悪戯小僧とか悪戯坊主といわれ、度が過ぎると憎まれっ子とのレッテルを貼られてしまうのである。落書き等悪戯行為は自己主張の一種でもあり、その大部分は子供から大人に向けられているものが多い。大人は子供に対してもう少し関心を持って欲しいというメッセージでもある。その意味で子供の成長期における現象の一つであるかも知れない。子供は成長すると共に自我が芽生え自分の意見を持つようになり、自己主張が強くなる時期があるが、これを親の視点でみれば反抗期というが、大人になる過程の中で、自我の芽生えは重要な成長段階の現象である。個々人の性格の問題も大きく作用するが、悪戯行為は確信犯的な部分もあり、軽い反抗期の現象でもある。

2.悪戯がいじめに変身する
 悪戯行為は、反復的で連続的な場合は多いが、意外に陰湿な部分が少なく、その対象者は特定の相手に対して反復される場合が多い。不特定多数の場合も無いことはないが、比較的に多いのは親や先生等の親しい人が対象となる場合が多い。このように特定の相手の場合で、陰湿な部分が少ないため社会的に許される範疇のものが多かった。しかし悪戯行為には、いじめに変身する因子が潜んでおり、子供社会で起きる場合はこのいじめに変身する因子が悪さをするのである。子供から大人に発信されたものであれば、社会問題になることは少ないが、子供同士で起きる悪戯行為はいじめ行為と紙一重であって、いじめに変身することが多くなってきた。この要因は近年の子供社会で起きる特性がある。その要因について子供に判断させることはできるものではなく、子供社会で解決することはできないものである。

3.悪戯行為の現象と受け手側の感じ方
 悪戯行為が、いじめ現象に変身する大きな要因は、いじめを受ける側の育ちに関するものが多い。誤解されては困るが、いじめ側を擁護するものではなく現象面を整理するための手法として整理する。過去の兄弟姉妹が多かった時代は、小さい時から兄弟喧嘩は日常化しており、この子供時代に起きる全ての現象を、家庭で毎日体験する環境であった。いじめの経験、いじめられの経験、悪戯の経験、悪ふざけの経験、意地悪の経験等、子供時代に起きる全ての現象は、そのほとんどの経験は家庭の体験で育ったのである。子供時代に、上には絶対逆らえない兄貴がおり、負け犬の経験もさせられた。しかし、今日の子供社会では、兄弟がいない一人っ子社会になり、幼児期には無風状態で育てられ、経験しないまま学校で子供集団に入り、悪戯、悪ふざけ、意地悪等の免疫力が無い子供たちにとって、悪戯、悪ふざけ、意地悪等はいじめと紙一重の問題ではなく、いじめそのものとして認識してしまうのである。現代におけるいじめ概念が大きく変わった要因は、この一人っ子社会で起きている現象であるから、昔のいじめの概念で議論することや調査研究、対処法が適切にかみ合わないのはそのためである。

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