<231>悲しい孤立型人間社会のうねり
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 07/9/9(日) 16:45:53  返信も含め全削除

1.一人っ子社会の大きなうねり
 人間は一人では生きられないと言われているが、これは人間に関する自然界の摂理であろう。近年、一人っ子育ちが多くなり、一人っ子特有の原因で起きる事件多発している。生物学的な視点で見ても一人っ子社会は清浄ではない。親の人生観によって意識的に産児制限され、一人っ子社会になったこと自体が自然界の摂理に反する異常現象と見るべきである。本来の人間社会の子供環境は、兄弟が沢山いる中で育つことが自然の姿であった。これが現代社会の子供環境は、親の意思によって人為的に変えられてしまったのである。この場で親の人生観を非難するつもりはない。社会現象の争点として取り上げているのである。何故なら現代社会における現象の中で理解に苦しむような事件が多発しているが、一人っ子社会に起因している現象が多いからである。前回に記述したように一人っ子の二世代目が社会に出始めており、ビジネス界においても二世代目の一人っ子が中堅になろうとしている。この二世代目の一人っ子は、一人っ子の第一世代目の親に育てられた筋金入りの一人っ子群である。

2.一人っ子社会のいじめ研究の遅れ
 近年の子供社会のいじめの研究は進んではきたが、必ずしも満足できる研究が進んでいるとは思えない。悲しいことであるが幼稚園や小学校、中学校の教員は自信をなくした教員も増えている。ここにも一人っ子社会で育てられた超個人主義者によるいじめは、過去の集団主義社会に見られたいじめ現象とは違ってきた。よく耳にすることであるが「昔もいじめはあったが今のいじめとは質が違う」という意見があるが、これは何を現しているかといえば、いじめの本質が違ってきたため、昔のいじめの対応策が今日では通用しないと言うことになる。これは当然の話であり、現代一人っ子社会のいじめ問題と同じはずがないのである。過去の経験が通用しない子供環境の大きな変化があったことを認識しなければならない。

3.悲しい孤立型人間の社会
 一人っ子で個室を与えられ、親によって孤立するように仕向けられた子供達は、親の希望通り素直に超個人主義者に仕立てられた特色を持った子供である。そのため親身に相談できる友達を作ることや、集団に溶け込むことが苦手である。親自身も一人っ子育ちであるため違和感もなく普通の子供に見えている。しかし人間社会の自然の摂理である「人間は一人では生きられない」という自然界の法則の視点で見れば違和感がある。長い人生の中でハプニングに遭うと個人主義者の弱さが露呈する。親身な相談者がいないためである。近年、若い母さんやOLにアルコール依存症が増えており70万人を越えてしまった。益々増える傾向にあり減る気配何が見えない。精神が不安定化したときこそ親身な仲間が必要で、心を許し合える友が必要なのである。しかし現代の超個人主義者は、心から許しあえる友達を作れないで悩んでいる。単なる親しい知り合いの関係とは違うのである。インターネットや携帯電話等で友達を作ろうとする超個人主義者を見ると悲しくなる。やはり人間は一人では生きられないのである。これほどまでに一人っ子二世代目は寂しい運命を持たされてしまった。悲しいことであるが日本社会全体が孤立型人間で埋め尽くされようとしている。その対応策の視点が欠けている。

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