<253>管理職から支援職への役割変化
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 08/2/24(日) 14:21:57  返信も含め全削除

1.管理職全盛時代の職務と人事組織
 日本の高度経済成長時代は、人的組織はピラミット型で、管理職が十分に実力を発揮した時代であった。その意味では管理職全盛期といえる。この時代の管理職は、管理という職務を有効に遂行するために、命令、指導、指揮の三つの手法を、適切に使い分けすることによって、管理の効果を発揮していた。特に命令や指揮が有効に作用する組織として、ピラミット型の軍隊組織が重要な役割を果たしていた。当時の情報の仕組みや経営情報の収集システムが、全てトップに集中する仕組みであったから、その情報をピラミット型の情報網を通し、末端の担当者までに正確に伝えるシステムになっていた。したがって上司からの情報を忠実に末端の担当者まで、重要な情報が正確で速やかに伝達する仕組みとして、ピラミット型人事組織と、有能な管理職が必要であったのである。当時の管理職の適格用件は、大きな声で部下に正確に伝える方法であり、まさに軍隊の雰囲気さえ感じさせるものであった。

2.なぜ中間管理職としての中間職域が不要になってきたか
 日本の高度経済成長期は、情報処理のIT化がそれほど進んでいなかったため、データベースも未熟であり、人的情報伝達システムが重要であった。したがって、中間領域の仕事量も多くその役割も重要であり、中間管理職に優秀な人材が投入されていた。しかし、その後にIT化が進むにつれ、デジタル信号によるデータベースが蓄積されると、過去の情報が宝の宝庫に変身してきたのである。更にデジタル信号は加工が自由自在であり、アイデアによっては、過去に気がつかなかった分類や集計が可能になり、更に新しい組み合わせ等の情報の利用法が考案され、これらの情報は社内で公開され共有化することになってきた。そのため従来型の管理職の仕事であった上部から下部へ伝達するという業務が消えてしまったのである。結果的に人的伝達システムのピラミット型組織が不要となり、新しい人事組織に変わってきたのである。

3.支援型職種に変貌する中間幹部
 従来の管理職が、管理という職種から支援という職種に、何故変わってきたのであろうか。それは情報共有化に深い関係がある。担当者は、自分が担当する仕事を命令によって行動するのではなく、公開されている情報の中から、自分の仕事の部分を活用しながら業務を遂行する。業務の結果の情報はデータベースに収納し、その時点でその情報は公開され、関係者はその情報を更に高度利用する。このような流れで全社的に業務が進む中では、従来型の管理職の仕事はなくなり、中間幹部の仕事は、担当者が業務の遂行上支障が出ないようにすることであり、担当者に対する支援の役割を果たすことが仕事として重要になってきた。したがって、思想としても従来型の管理思想から新しい支援思想への転換も必要になってきたのである。担当者が最高の仕事ができるような環境にすることが、中間幹部の仕事であり、担当者の戦力化に貢献する結果となるのである。これが近年中間幹部に要求されている力量である。

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