<263>企業の強みと弱みの原理
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 08/5/18(日) 21:36:42  返信も含め全削除

1.人間としての強みと弱み
 人間はいくら強い部分を持っていても、全ての点で強い人間はいないであろう。つまり弱い面も必ず併せ持っているものである。つまり強い部分と弱い部分が同居しているのである。しかし、人間は本能的に弱い部分は隠そうとするため、強い部分だけを主張する結果となる場合も多く、強がりばかりを主張していると言われてしまうのである。周囲の人間はこのような強がりを主張する人を、快く思わない場合も多いのである。しかし無意識のうちに弱みを見せないように行動するのが人間の特性である。

2.弱みを強みに変える特技の持ち主
 自分の弱みをわざわざ宣伝する必要もないが、自分の弱みを上手に表現する人もいる。このような人物の共通点は、それなりに強い部分を持っている人である。強い部分を持っているからこそ、弱い部分を公表することができるのであろう。見方を変えればゆとりの現われかも知れないが、堂々と自分の弱みを公表している。すると周囲の人間の中から、弱みを補完する支援者が現れる。支援者側から見れば強がりばかり主張する人間に対しては、接点が作れないから離れてしまうが、弱みを公表する人間に対しては、多くの支援者が集まってくるものである。その結果当人は多くの支援者の力を借りて、総合的に大きな力を発揮できるようになり、成功するケースが多くなってきた。つまり弱みを公表する人に能力の新連携ができ易いのである。市場経済の激しい競争激化の中で、個人の能力には限界があり、競争力の強い仕組みを作るには、新連携の形態が必要になってきたのであろう。

3.企業にも新連携の形態が
 近年、企業の買収や合併のような強力な企業合同ではなく、新しいタイプの企業連携という形態が増えてきた。この連携の形態の特色は、前述の「強みと弱み」の原理が作用しており、自社企業の弱みを公表することによって、その弱みを補完する企業が現れ、新連携が速やかに進んでいくのである。この場合に弱みの部分を隠して強がりばかり主張していれば、連携者が現れにくいのは当然であり、支援者が現れないように壁を作っているようなものである。近年の成功者に多く見られるような新連携行為は、弱みの公表が強みに変える作用をしているのである。

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