<19>山崩は二つの管理の原点‥‥‥作業員の目線で 山崩は配置もラク 連続しない作業日
新規投稿者 高津徹太郎  投稿日 8/25(月) 22:13:07  返信も含め全削除
8.山崩は二つの管理の原点
 山崩の検討は作業をする作業員をラクにする。ラクな作業環境を作ると工事は予定通り進み、長い工程計画でもほとんど狂わずに施工できる。このため山崩は工程管理の原点と言える。また、原価削減のポイントは作業環境を整えて効率を上げることである。山崩は作業をラクにする環境を作るので原価管理の原点でもある。

(1)作業員の目線で
 住宅建築を考えてみよう。現場代理人は施工管理を担当し作業員は住宅を造る。もし作業員が設備業者等に連絡できるなら現場代人は必要ないかも知れない。だが、実際は現場代人を配置して工程計画を担当させて施工する。なのに、計画工程表通り進捗することが難しいという。なぜだろうか?この質問に対し決まって天候による不施工日が有ることを理由にする。しかし、実際の作業で年間の天候による不施工日数を調べてみるとそれ程多くはないことが分かる。実際に計画の維持を難しくしているのは「いい加減な計画」だからである。いい加減な計画とは順序違いとムリな作業日の設定である。
 実績データを収集すると正しい作業順序が分かり、作業量に見合う日数の設定ができるようになる。あとは現場代人が作業員の目線で検討できればムリを省いた計画が作れるようになる。この検討が山崩である。この状況は土木工事も変わらない。

(2)山崩は配置もラク
 山積の検討をしない状況は、例えば月・火・水曜日の山積計画が「5人、2人、6人」となることである。この計画の維持には計画に合わせて正確に人員投入する必要がある。計画に対し投入人員が少ないと日程が遅れ、逆に多いとコスト増になってしまう。元請は外注契約時点で原価が決まると勘違いしているから、平気でこのような工程計画を作り、計画通り作業をするように要求する。下請がラクに対応できないと計画通り作業をすることが難しくなり、結果的に原価が高くなり元請には高い見積しか出てこなくなる。
 山崩をすると下請の対応がラクになる。この場合の山崩は、a),3日間を「4.3人ずつ」になるように計画し、毎日4人と残業で補うようにする。または、b),3日目の水曜日には作業に慣れて生産性が上がだろうから「4人、4人、5人」として毎日4人を配置するなどが考えられる。こうすると「人員配置がラク」だから人員配置が予定通り行われ、また、「同一メンバー」が「続けてが作業をする」ので効率が保たれて、予定通り作業が進むのである。

(3)連続しない作業日
 稼働日の山の高さが同じでも月曜日〜土曜日が「4人、休、休、4人、休、4人」という計画ならどうだろうか。01工事の月曜日の作業員の配置は「a,b,c,d」であったが火・水曜日は01工事には作業がないため02工事に配置されたとする。木曜日には「a,b,c,d」が01工事に配置できれば良いが、「a」が02工事を続けるように配置され、01工事は「b,c,d,e」が配置されたとする。その結果、木曜日の新しい体制は状況把握に時間が掛かり、生産性が下がることになる。
 また、01現場の作業日が月・火・水と連続するなら01現場用の図面、工器具、防護具などは通勤車両に積み込んでおいて“積み忘れ”を防ぐことができる。しかし、上記のように火・水曜日に02現場がはさまると01現場の用具類を02現場用に積み替える必要が起こる。このように作業日が連続しないと段取り替えが必要になり、これに伴ってトラブルが起きやすくなる。

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