<23>施工支援システムの実行ステップ(2)‥‥‥使えるよう、工夫して作る標準工程表
新規投稿者 高津徹太郎  投稿日 9/22(月) 19:48:15  返信も含め全削除
(3)使えるよう、工夫して作る標準工程表
@標準工程表は支援システム
 工程表の標準化を図りましょうというと「ムリだ」という。「だって役所毎に違うもの…」。この人は標準工程表を工程表のフォーマットと誤解している。今迄、役所用の工程表しか書いたことがなければ仕方がない。また、「同一仕様の個人住宅でも場所が違えば作業日程や内容が変わるため、標準工程表は使えない」という。この人は標準工程表を定形工程表と誤解している。
 ここで解説する標準工程表とは、計画をラクに作るための支援システムを言うのである。

A標準工程表はイージーオーダー型
 イージーオーダーで背広を作る時は、まず、事前に用意した“型見本”の中から体型に合う一着の半製品を選び出す。これを試着して確かめ、個人差があるズボンは胴回り・長さなどの細部調整を行って合わせる。こうするから体にピッタリ合った背広を素早く作れるのである。我々も標準工程表という調整可能な“型見本”の用意ができれば、新規工事にピッタリ合う詳細な計画工程表がラクに素早く作れるようになる。

B工夫が必要な標準工程表
 個人住宅の作業工程を比べてみると、基礎掘り、砂利入れ、捨てコン打ち…と、どの工事も似通った作業と順序で行っていることが分かる。しかし、マンション工事と比べると大きく違う。また、マンション工事同士でも鉄骨構造とコンクリート構造とでは作業内容が大きく違う。土木工事でも道路工事、港湾工事、護岸工事などの工事種類毎に、又は、同じ護岸工事でもブロック護岸とコンクリート護岸という工事内容ごとに作業内容が大きく変わる。
 工事の種類・構造・内容などを基準に類似する工事の作業工程を比較してみると、似通った作業順序で施工していることが分かる。標準工程表はこれら共通部分を生かし“型見本”として調整しやすいように工夫して作るのである。また、標準工程表を使って計画工程表を作る時は作業量・仕様・作業などを工夫しながら調整して作り上げるのである。

C幼稚な標準工程表で良い
 ごく簡単な標準工程表でも一つ作って計画に利用すると社内で理解が広がり、他の分野の標準工程表作りがスムーズになる。標準工程表は繰り返し使って問題点を改善する“進化するシステム”であるから初期に作る標準工程表は幼稚なものでもかまわない。幼稚な標準工程表は多数の参加が可能になり全社的なレベルを確認しながら標準化を進められて利点にさえなる。
 支援システムの有効活用には多数の理解が必要なのである。

Dパソコンの使い方が生死を決する
 現在は情報化社会と言われパソコン使用が盛んである。しかし、以前の計画をコピーし工事名を変えて提出すれば情報化社会に対応していると勘違いしている向きが多い。このような建前書類作りに時間を掛けたり掛けさせていることは狂っているとしか言いようがない。
 情報化やIT革命の目標は利益の根源部分を定型(プログラム)化し、スピード処理によって競争相手に勝つことである。ここが分かれば標準工程表の必要性が理解できると思う。
 さて、業務の電子化でアウトプットが従来書式と変わる場合がある。ムリに従来書式に合わせるとコストが増え電子化目的に合わないから要注意である。“見栄え”や“書類の厚さ”を競うのは右肩上がり時代の悪しき慣行である。これにこだわっていると市場経済への対応が進まない。
 帳票に求められる最重要課題は“真実な必要データ”を表示することである。

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