<26>施工支援システムの実行ステップ(5)‥‥‥実績が狂った計画工程表の修正 雨天に強い計画と施工
新規投稿者 高津徹太郎  投稿日 10/13(月) 18:35:56  返信も含め全削除
 以上までの“実情データ収集から最善計画まで”が工程支援システムの最初の1サイクル目である。
 次は最近始まった戦略的な取組の紹介をする。これらは僅かな一歩の取組かも知れない。しかし、他社に先駆けた取組で見つけたもので大転換することは良くあることである。

(8)実績が狂った工程表とその修正
@計画より早く終わった場合
 建築工事など多種資源が入れ替わる工事は、実際日数が早く終わっても前倒しに書き換え(早まった計画に修正)すべきではない。なぜなら日程を前倒しすると後続施工業者全員が前倒しによる新規対応を迫られるため、各所で態勢不備による遅延を起こし“骨折り損”を招くためである。これは元請が感じにくい“痛み”なので特に注意が必要である。
 土木工事など少種資源で長期作業を行う場合は、計画を前倒ししても後続作業への影響は軽微である。但し前倒しした時は後続施工業者に早目に連絡することは当然である。

A計画より遅く終わった場合
 建築工事など多種資源が入れ替わる工事では、計画よりも遅くなると後続への影響が大きいために遅れを早く取り戻しすることが必要になる。
 この場合、遅延した工程の回復処置は極めて困難であり、また、膨大なコストが掛かることを強く認識すべきである。対策として、遅れない施工方法の検討や遅れが後続に及びにくい工程表の表現方法(例えば下記の「雨弱作業」)の検討が有効である。
 土木工事など少種資源で作業を続ける工事は、遅れた状態に計画を書き直しても後続作業に対する影響は軽微である。しかし目標工期を外れる場合は回復処置をとることは当然である。
 土木工事の工期短縮は比較的に容易な場合が多い。発注者が“工期10ヶ月でも困難だろう”と言う工事に対し、投入資源の検討を行い5ヶ月間で完成し大儲けしたという報告を受けている。

B工程表の修正方法
 計画の作業日数を実際の値に直して工期計算(左寄せ)すると現状に修正できる。但し、修正が一部であっても最善計画は崩れるため残余工程に対する最適化の検討が必要になる。

(9)雨天に強い計画と施工
@雨弱作業を折り込む
 建築工事など多種資源で、かつ、厳格な作業順序に縛られた工事では、雨に弱い作業を選び出し「雨弱作業」と設定して次の計画を立てる。
1) 工程表上で雨弱作業の日程を確定しその直後に雨天予備日を加算する
2) 工程が遅延した時は雨天予備日を稼働日に変えて遅延の回復を行う
3) 工程が遅延しない時は雨天予備日を休業日とする。(当初計画を変えないことが原則)
注-a) 雨弱作業とその後続作業の施工業者に、雨天予備日と遅延回復処置を着工前に説明
 -b) 雨天予備日の係数処理に備え実情日数を記録し、施工対策に備え雨弱の実情を記録
 -c) 雨弱作業と雨天予備日の表現方法を検討
 例) ○━━━━………→○ (点線部の雨天予備日を含め作業日数とする)

A雨強作業を折り込む
 土木工事など“雨に弱いが少種資源の工事”では、まず、雨に強い作業を選定して「雨強作業」と設定する。更に、作業順の自由さを加えて4分類し毎日の天候によりできるだけ1)を行うようにする。
1) 「雨弱」作業で作業順が厳しい作業を先に、作業順が自由な作業は次に行う
2) 「雨強」作業で作業順が厳しい作業を先に、作業順が自由な作業は次に行う
注-a) 工程用紙を横3分の1にして計画工程表は雨天を殆ど考慮せず上側に書く〜目安の工程表
 -b) 全作業をバラバラのバーチャートで表したものを下側に4分類しておく
 -c) 毎日1)と2)を検討して最も適当な作業を選出し、b)から中央に移動して当日の作業とする。

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