<28>施工支援システムの実行ステップ(7)‥‥‥工程支援システムの目標と効果
新規投稿者 高津徹太郎  投稿日 10/27(月) 17:42:40  返信も含め全削除
(11)工程支援システムの目標と効果
@最善計画をラクに早く作れる
 最善計画をラクに早く作れるようにすることが工程支援システムの最大目標の一つである。これを可能にするのが標準工程表である。もし、標準工程表無しに最善工程表を作るとするなら膨大な時間が掛かり、極端に言うと工事が終わっても最善工程表は作れないだろう。一般的な会社は建前的な歩掛や二度と使わぬ日報という記録データが有るだけだから、せいぜい施工する週か次週までの計画を作るだけである。更に、この計画は納期中心に考えて「こうするよりショウガナイ」という計画であり、最善計画とはほど遠いのである。
 工程支援システムを利用すると工期3ヶ月間程度の建築工事なら最善計画を2日間程で作れるであろう。慣れた人は9ヶ月のマンション工事を4〜5日で作れたと言う。この担当者はこの現場について、1) 計画が殆ど狂わず予定通り施工できた。2) 現場環境が整理され大変快適になった。3) 施工業者は殆ど残業をせず定休日は殆ど休めた。と話している。これに対し、同時に施工した隣の同仕様工事では躯体工事以降は残業を繰返し休日出勤もしていたという。両方の現場に関わった下請に聞いたところ「お陰様で最善計画現場では儲けさせて頂きました」と言っていた。

A計画が狂わないように作業できる
 最善計画は3M排除を検討してしるため施工がし易く、計画がラクに維持できるという特徴がある。このため、下請からは計画工程表に対して信頼性が高い。下請が各現場の人員配置を決める時は、何ヶ月も前に詳細に示された最善計画現場から決めることは当然である。また、この計画日程と施工方法について十分に検討できるので狂いを最小限に抑えられるという。更に、下請には「自社作業が遅れたら恥」というような気概さえ持って作業をすることになるらしい。

B狂わない工程計画を利用する
 工程支援システムのもう一つの最大目標は、狂いの少ない計画工程表を“管理の媒体”として利用することである。つまり、施工前に必要な支援データ(品質管理・安全管理・その他施工に関する管理データ)を標準工程表に組み込みこれを利用するのである。
 この有用性を認識するにはまず、これらの支援データが作業毎に異なることを認識することが必要である。安全管理であれば、例えば、基礎掘削の場合は土留対策や突出ガスが、足場組立の場合は落下や転倒の問題というように、作業が違えば対策は異なり作業が同じなら対策も類似するのである。従って、各作業に安全管理項目、過去の事故例、その対応策などを整理して標準工程表に登録すると、次回から標準工程表をコピーして使えば自動的に計画に登録されることになる。この計画に沿って工事を施工すると、当日の作業に登録された過不足無い支援データが自動的に閲覧することができるようになる。これらの管理情報は、少数精鋭で効率的施工管理が求められる現場担当者に役立ち、しかも、建前ではない真の管理が可能になり、その一つずつが管理効果を生むようになる。
 必要な時に過不足のないデータだけが提供されるから担当者は自ずと効率的な行動が取れ、データは情報として利用できるのである。このため、担当者が更にラクになり技術力がアップするから年間の施工高が増えても快適な現場環境を維持することさえできるようになる。

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