<32>新規システムの導入ポイント(2)‥‥‥精鋭を選抜して 日増しに高まる必要性 導入は今がチャンス
新規投稿者 高津徹太郎  投稿日 11/24(月) 17:38:42  返信も含め全削除
(3)精鋭を選抜して
 プロジェクト・チームのメンバー選抜は次の点を基準として行う。
 a)既成概念にとらわれないでチャレンジできる者を選ぶ。現業に長年携わっていると現行方式に疑問を感じなくなることが多い。現状に疑問を持っているであろう30代ぐらい迄の者が適任と言える。
 b)但し、若いだけで選択すべきではない。新システムの導入には周辺業務に対する理解と判断が必要なためである。
 c)メンバー数の最低限は3名である。それよりも人数が少なければ相談する相手に窮し、また片寄った結論を出す危険性があるためである。
 e)メンバー数の最大限は5名程度であろう。その理由は現在業務に支障を及ぼさないためである。
 f)しかし、実情データは人手が多い方が多く集まることも事実である。また、導入時に多くの担当者が関わっていると、本格稼働時に初速度アップを図られる利点もある。このため状況が許すならば技術者数の30%程度までプロジェクトメンバーに任命することも考えられる。更に残りの者にも自発的な参加を妨げないというやりかたで取り組み、会社全体が所期の目的に向かって結束できるなら理想的な導入体制と言える。

(4)日増しに高まる必要性
 バブル崩壊に前後して世界は新しい経済環境に入った。日本の銀行・証券・保険・自動車・デパート・スーパー・外食産業…、そして政治や行政さえも大きく変わろうとしている。この期に建設業だけが従来方式で生き延びられる訳は全くない。例えば、日本の米価は海外から比べると数倍から10倍以上と言う。単純には生産性以上に費用を掛けているから高価なのである。農業はまだ「商品」の品質に差別化の余地が残っている。しかし、一般的な建造物には「設計値」を満たす以上の品質は求められていない。このため、販売競争をしようとすると基準は“安さ”しか無くなり、これ以外の基準はまだ形成されていない。従って「良いものを安く」作るシステム導入の必要性は日増しに高まっているのである。
 新規システムが全国的に利用されると社内の合意作りは簡単になるだろう。但し、それまで会社が持たないであろう。それほど市場経済の競争は厳しく情報化社会の進化は激しいと心得るべきである。今が岐路であること、そして企業の生き残りと現在の財務内容とは無関係であることを知っておくべきである。

(5)導入は今がチャンス
 新規システムの導入には、工事量減少期が適している。それは新規システム導入のための人員配置がある程度可能だからである。また、厳しい環境という外的要因を利用して新しいことに取り組むことは常套手段なのである。
 しかし、こんな状況だからこそ人員的な余裕など無い場合もあろう。その場合は、全社的なコンセンサスを得るように仕掛けてでも態勢を作るべきである。例えば、現在担当者数が20人に対して適正人員が17人と判断する場合であっても、現在給与×85%として17人分の給与で20人が業務に当たれるようにするのである。今こそ“米百俵”の精神が必要なのである。変化の時代にあっては、新しいことに挑戦する会社こそが社員にとって頼れる存在なのである。漫然と地獄へのエスカレータに乗ったままなら体力のある賢いネズミは離れてゆくだけである。
 市場環境が変化している時に企業経営が従来の延長で生き残れることは無い。例え大型コンピュータで世界を制覇していたIBMであっても、パソコンに取り組んでいなかったら現在の姿は無かったであろう。

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