<34>新規システムの導入ポイント(4)‥‥‥リエンジニアリングを目指そう、現場で記録するデータは3種類、施工関係者用の
新規投稿者 高津徹太郎  投稿日 12/8(月) 19:15:52  返信も含め全削除
(★)緊急課題‥‥リエンジニアリングを目指そう
 “リストラ”は不採算部門の撤退と合併等による財務内容の再編に分かれる。もし、自社の事業が工事施工が主体の場合や、合併相手の建設企業が明確な技術が無いならリストラを行うべきではない。施工管理が主体の会社が不採算部門を撤退するということは会社の清算を意味するから企業存続に向けた対応にならない。また、財務的に改善するからと合併しても「良いものを安く作る」技術が無ければ多少延命できても存続は難しいであろう。例えが悪いが、低開発国に対する援助は資金提供ではなく、技術を与えて自ら稼げるようにすべきだという論評である。建設業界では不良債務を全額免除された準大手ゼネコンがその後2年程で破綻したことを思い返すべきである。建設業は技術を売り物とする産業である。売り物がない会社が生き残れるはずがない。財務内容が悪いとか不良債権を抱えているという問題よりも、良いものを安く作るという“技術”を持たないと存続できないのである。現在、財務内容が良い企業であっても、たまたま過去の環境の中で収益を上げられただけであり、環境が激変したこれから生き延びられる保証にはならない。更に、合併で「実績完工高が増える」とか「ランクが上がる」という期待をしても思いは外れるだろう。今は他社並みのものを安く作れるという技術力が欲しい。
 現在、「利益の確保が困難」ならリストラではなく“リエンジニアリング(事業の再構築)”を行うべきである。一般的なの建設会社が取り組むべきリエンジニアリング施策は二つある。一つは費用も掛からず短期に効果を生む“作成書類の削減”であり、もう一つは長期間にわたって効果を上げる管理力増強ための“新規システムを導入”することである。これに向けて経営資源(人、もの、かね)を集中すべきである。

(7)現場で記録するデータは3種類
 指示業務を漫然と行っていると問題意識が薄れ書類は自己目的化して肥大する。現場担当者が書類作成やその段取りに費やす時間はデスクワークの半分ほどになる。新規システムの導入時には、手軽でありながら即効性のある“省ける業務”を探し出し業務中止がお奨めである。“省ける業務”とは帳票単位だけではなく帳票に付けられた社章・記入項目・各種グラフ・承認印欄などの一つずつを見直しするのである。毎日作成する日報などの一部を省いただけで計り知れない程ラクになる。
 現場サイドでのデータは安全・品質(ISO)・原価・工程の管理データに分かれ、これらが元になって各種の書類が作られる。また、現場サイドで作成する書類のデータを利用目的別に分類すると、「施工関係者用の管理データ」「工事関係者用の説明データ」「財務処理用の経理データ」の三つになる。これらの作成を合理的で効率的な対応を目指したいものである。

(8)施工関係者用の管理データ‥‥“施工関係者”は「<2>施工管理が決め手」脚注参照
 施工管理の目的は所定目標を達成しながらコスト削減を追求することにある。だから、「良いものを安く」作ろうとすると「管理データ」の収集は不可欠である。施工管理のための管理データは繰返し利用し進化させるものだから再利用しやすいように整理してハードディスクに記録すべきである。
 これに対し「○○管理日報」などの書類は次の「説明データ」が多い。何故なら管理効果を期待せずに作り単に“○○を行った”とか“結果は○○の要求を満たしている”という形式にこだわった建前書類が多いからである。既に建前では企業が崩壊する時代であることを忘れないで頂きたい。

返信する

パスワード

一覧へ戻る】 ※最新の画面を表示するには再読み込みしてください.