<36>新規システムの導入ポイント(6)‥‥‥書類を省く基準、超悲惨な書類作り、提出義務書類の作り方
新規投稿者 高津徹太郎  投稿日 12/22(月) 19:11:29  返信も含め全削除
(11)書類を省く基準
 現場サイドでは施工管理(安全・品質・原価・工程)を原理通りに行うことが基本である。施工管理用のデータを省いては建設業が成り立たたず入力(記録)は必須である。しかし、これ以外の書類の入力や作成はできるだけ省くべきである。書類を省く時の判断基準は“1回だけ使う書類”であるかどうかである。1回しか使わない書類は“書けと言われるから書く”程度の建前書類作りをしていると見るべきである。
 建前書類は次のように“百害あって一利無し”なのである。@建前データ作りは真の管理データを扱うよりも数倍掛かる。A管理効果が出ない。B建設的意見を残せない。Cシステム化できない。D建前がバレないように神経を使う。E建前がバレた瞬間に企業の信用を失ってしまう‥‥のである。

(12)超悲惨な書類作り
 例えば安全部長の指示で「安全日誌」を書いている場合を想定しよう。このような場合は“安全管理活動の証拠”のために安全日誌を作っていることが多く「弁解用に1回だけ使う書類」を作っている場合が多いので注意すべきである。
 本来の安全管理は自社の現場で実際に起きた“ヒヤリ・ハットや事故”、それを防ぐための“提案や行動”を管理システムに記録して次回の施工管理に生かすことが必要である。このため真の安全管理をすれば安全日誌に必要な情報は記録されるからこれを使って自動作成できて当然なのである。逆に言うと手書きの安全日誌は“安全管理をしていない証拠”とさえ言える。
 しかし、安全日誌を手書きしている本人が安全管理をしていると思っている場合が多くこれが超悲惨な状態と言えるのである。この超悲惨な状態は品質管理・工程管理・原価管理についても全く同様基準で判断することができ、「1回だけ使う書類」かどうかだけで分かってしまう。

(13)提出義務書類の作り方
 社外向けの「工事日報」や「安全日誌」などで提出を義務化されている書類がある。提出義務書類も実際の施工管理データを利用して作るべきである。この時は出力フォーマットが課題になるが、フォーマットにうるさい人に建前書類を好む人種が多いので注意が必要である。本来はフォーマットより中味が大切なのである。元請の省力化はコストダウンにつながるため発注者にも好影響をもたらす。既にほとんどの発注者では施工管理用の工程表をそのまま提出義務書類として受け付けられている。今後、電子納品化が進むにつれて真実データの重要性が認識されるであろうから、発注者が施工管理用の工程表を随時閲覧や出力ができる環境を望むであろう。
 社内向けの「工事日報」「ISO活動報告書」「月次原価報告書」なども目的は“管理によるコストダウン”であるから、管理データを使って自動的に作るべきである。この時、実際に自動作成ができることが確認できれば、出力の必要はなくなることが分かるであろう。つまり、必要を感じた担当または管理者がオープン化された現場の管理データをその都度覗けば良いのである。これが実現する頃は、今迄扱っていた半信半疑の「○○月報」データが一変し、随時に瞬時に最新データを収集できるようになる。このデータが情報化社会に於ける戦略的経営のバックボーンになるのである。建前データは決して戦略的経営に使えない。

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