世界の工場 1の2
新規投稿者 三木 伸哉  投稿日 04/3/24(水) 06:38:57  返信も含め全削除
けた外れに安い労賃と無尽蔵の労働力
私が大連の大学で、日本語を指導していた1999年からの2年間、大連市の中心地から、40キロほど離れたところにある経済特別区を何回か訪れた。
今でも、大連市だけでも日本の企業は1900位になるであろうか、その開発区と呼ばれるところに、その半数の会社が犇めいているのではあるまいか。
およそ20年前に、一面の葭原の不毛の土地に、工場が林立し、キャノン、松下、日立などの看板が連なるようになった。
今では開発区から大連市内までモノレールが走るようになった。日々変わりゆく街の様相、人々の表情までも、明るく変わっていくのがよくわかった。
 さて、そのような工場に働く労働者の賃金、就職の条件、終身雇用か否かなど、中国の大工業地帯も展望しながら、世界の工場・中国の内実を探ってみたい。
私の大連時代の碁友に、大連に隣接する旅順に縫製工場を経営していた日本人がいた。彼の話を聞くと、若年の女子労働者はほとんど近隣から集まってくる。
彼女らは実にまじめに働く、5年前ではあるが、一月およそ500元の月給(邦貨およそ7500円)で3年ほど、宿舎に寝泊まりしながら、縫製の仕事に従事する。視力が2.0の若者が多く、中には3・0の若者もいるという。その視力で実に細々とした仕事に精を出す。
中国の最南部の広東省にある深シュウ、東莞などが、急発展している珠江デルタ地帯などは、その若年労働者の集まる典型的な地域といわれている。
内陸部の農村から、若い女性労働者がいくらでも、次から次へと供給される。
3,4年働いたら故郷に戻っていくので、年功序列的な賃金体系をとらなくても、無尽蔵な労働力が、次々と生まれてくる。つまり今のところ、きわめて安い労働力が、エンドレスに続いているのである。これが中国の最大の強みであろう。
中国では、大都市に勝手に移り住むことができない。住居を変えるのは、厳しい条件があり、多額の金を出してようやく上海人になったり、北京人になったりできるそうで、居住区を簡単に、変えることができないから、3,4年真剣に働き、その金を持って両親の住む故郷に帰るのである。

返信する

パスワード

一覧へ戻る】 ※最新の画面を表示するには再読み込みしてください.