日本の大衆文化(歌謡編)
新規投稿者 三木 伸哉  投稿日 04/5/7(金) 05:29:23  返信も含め全削除

時の流れに身を任せ 
テレサテンが42歳で逝ってしまってから、もう何年経つのであろう。私が中国在住の2年間の大学での日本語指導の時間のなかで、学生に紹介し、ともに歌った日本の歌には、「時の流れに身を任せ」「いい日旅たち」「昴」「北国の春」「花」(花心)「乾杯」「四季の歌」「愛燦燦」などがあった。これらの歌は赴任してから、学生達にアンケート調査をして、日本の歌で歌ってみたい歌のベスト5を選択し、あと3曲は私が付け加え、札幌のHBCの知人にダビングを依頼して、送って貰ったテープを擦り切れるくらい、授業で利用したのであった。
その中で最も人気が高かったのが「時の流れに身を任せ」であった。どうしてなのか?テレサテンは台湾人である。台湾と中国との確執は、蒋介石と毛沢東の60年も前に遡る。
テレサテンの歌は中国の学生達の間では、不動の人気を占めている。
彼女は1989年のあの天安門事件の時に、学生達の民主化を叫ぶ行進の先頭にたって、学生達を激励し、自ら危険な目に遭遇しながらも、自分の主張を貫いた稀にみる若い女性として、中国本土での学生達の人気は抜群である。
しかし彼女の歌う歌詞の内容は、いつも日陰者の女の歌であったのだが、この曲がかかると、教室中一段とボルテージが上がって
「もしもあなたと会えずにいたら、私は何をしてたでしょう―――」と教室中に大音声が響くのである。学生達はその歌詞がよく理解できるのかどうか、ともかくもう恍惚の声色である。実に素直な学生達である。その声を聞くだけで教師冥利に尽きたものであった。

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