回想中国5の2
新規投稿者 三木 伸哉  投稿日 05/3/26(土) 07:37:46  返信も含め全削除
 「その発言は中国を非難することばです」
 彼の家は遼寧省の農村にある貧しい農家、今年は旱魃で作が悪いと、眉を曇らせていたこともあった。幼いときから艱難辛苦を乗り越えてきた彼が、このように優れた人格になっていくものか、21才の若者の素晴らしさに圧倒されることが多い。教師への敬慕の気持ちは中国の学生の共通点であるが、彼はことさらその気持ちが強い。
 ある日教室で、日本の政治の話になり、日本の政治体制、保守、革新そして、与党とはどんな立場かなどと話しているうちに、
「中国は一党独裁だから、、、」とつい口から独裁という、言ってはならない言葉が出てしまった。不味いと思った途端、王君がすくっと立ち上がり、
「先生、独裁という言葉を使ってはいけません。それは国を非難することになります」と言われた。その通りである。
しかし彼は「三木先生が、教室で中国は共産党の一党独裁と話していました」と報告していないことは、あとで分かった。外国人教師も、学生にとって憎たらしい存在ならすぐ報告される。
 そのような班長や学級委員の合議により、外国人教師の勤務評定をしているようであった。
この学校はなんと学級全員による教師の勤務評定が行われたようである。
昨年(2004年)の秋、彼から電話があった。「先生、今度、ボク結婚することになりました。大連に来てくれませんか」と言うのである。
年金暮らしの身には、おいそれと中国の教え子の所まで参加することもできないのです。王君ごめんごめん。簡単には行けないのです

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