日本の旅とその歴史の背景 7(本郷界隈 2の1)
新規投稿者 三木 伸哉  投稿日 08/6/4(水) 05:17:16  返信も含め全削除
 日本の旅とその歴史の背景 7(本郷界隈 2)
一葉記念館にて
一葉は幼いときから裕福な家庭に生まれ、恵まれた生活をしていたが、17才の時に父を失い、一家を支えるために、小説家を志したがままならず、明治26年7月、竜泉寺町で、人力車夫と隣り合わせになりながら、荒物、雑貨、菓子を売る生活をはじめた様子が、この一葉記念館に展示してあった。

寝覚めてはよは(夜半)の枕に音たてて なみだもよほす初時雨かな(一葉)
一葉菊坂旧居は、一葉文学の発祥地、この和歌の三十一文字の中に、生活の辛苦が偲ばれる。父亡き後、戸主として一家を支える立場にあった一葉、針仕事、洗張りの仕事をしながら、十四才のとき、中島歌子の歌塾「萩の舎」にかよい、和歌を学び、東京図書館に足繁く通い、本を読みあさったという。
 61年に開館したこの記念館で、当時の生活の様子、一葉の毛筆による原稿の数々を拝見した。
 当時の筆記用具は毛筆、実に細やかな筆致、流麗は筆さばき、多少書道を勉強している私にも、読めない万葉かなのような見事な文字、判読に苦労した。
 処女作「闇桜」の原稿や、推敲している原稿の跡、名作「たけくらべ」の草稿、小説の師匠の半井 桃水に宛てた書簡類、竜泉寺で営んだ商店の「仕入れ帳」、文机などなど。一葉の短い生涯を彷彿とさせる品々が展示されてあった。

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