「日本の旅と歴史の背景」小樽文学碑2の2
新規投稿者 三木  投稿日 08/7/9(水) 06:48:21  返信も含め全削除
伊藤 整の文学碑を訪ねて
   この日、木々の落葉は、もう今年最後の土の色ではないかと思われるような地肌に積み重なっていた。伊藤 整の文学碑は、彼の郷里の塩谷に、旧友たちのよって、昭和44年文学碑規成会が設置され、翌年建立されたという。

       伊藤整文学碑  碑文 「海の捨児」
私は浪の音を守唄にして眠る 
騒がしく絶え間なく
繰り返して語る灰色の年老いた浪 
私は涙も涸れた凄愴なその物語を
つぎつぎにきかされてゐて眠ってしまふ
私は白く崩れる浪の穂を越えて
漂ってゐる捨児だ  
私の眺める空には
赤い夕映雲が流れてゆき 
そのあとへ星くずが一面に撒きちらされる
あゝこの美しい空の下で
海は私を揺り上げ揺り下げて
やすむときもない

建立年月日 昭和45年5月23日
   所  在  地 塩谷2丁目(ゴロダの丘)


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