旅順からの「坂の上の雲」6の1
新規投稿者 三木伸哉  投稿日 10/10/6(水) 06:22:12  返信も含め全削除
旅順からの「坂の上の雲」6
明治のはじめの頃、日本は、日本人は 1
春や昔で、はじめる「坂の上の雲」の書き出しのころは、明治維新のまっただなか、伊予の国の松山を舞台に始まった。
 城は松山城、城下の町は士族もふくめて三万というから、さして大きな町ではない。それに四国にあっては、佐幕派として、徳川を支えていたから、新政府になってからの人々の窮乏は底をついていた。
この長編の主人公の秋山好古、信之は、御徒の子であったから、武士階級の子弟としては足軽より上ではあるが、わずかに十石そこそこの家禄では、ビンボウ人の子だくさんを養うことは出来ない。
 兄の秋山好古が十歳の時、弟の信之が呱々の声を上げた。両親はうまれた弟を、寺奉公に出そうとしている。

「あのな、お父さん。赤ん坊をお寺にやってはいやぞな。おっつけウチが勉強してな、お豆腐ほどのお金をこしらえてあげるぞな」近所の風呂焚きにいっては、わずかな銭をもらっていた兄の好古は、生まれたばかりの弟の身を案じて父親にすがる。お豆腐ほどのというのは、そんな厚みのある紙幣をさしている。
この兄が生涯、弟の信之の学費の面倒をみることになる。

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