新規投稿者 三木伸哉
投稿日 11/4/13(水) 17:32:59
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回想中国 12 大連動物園 1
虎を育てた犬
家内と娘とは1年ぶりの再会であった。私が大連に赴任して10ヶ月、夏休みに入る前に、二人はやってきた。
中国人教師の温 震さん(彼の生誕の時、大地震がおきたので震と命名したという)4人で大連の動物園を訪問した。円山動物園を見慣れている札幌人にとって、この大連動物園のスケールの大きさに度肝を抜かれた。
貧しい生活の明け暮れの私は、出来るだけ徒歩で園内を歩くのだが、日本の生活、年金生活ではあるが、亭主の不在で、潤沢な生活をしているのだろうか、家内と娘は、「オトーサン、もう疲れた、もう歩けない。あの車に乗ろう、乗ろう」とせき立てる。
中国の金銭感覚に馴れて月給1500元の私には、一回り120元は高いナーと思いながらも、その車を利用した。
「ここには虎を育てた犬がいるのですよ」と温さんが言う。
「犬が虎を育てた?」とはどういう事であろう。やがてその大きな虎と犬が同居している広い檻にやってきた。虎はもうすっかり成獣となり、小山のように、ノッシノッシと歩いている。その傍らに老犬が一匹ついて回っている。
「あの犬が自分のお乳で幼い虎を育てたのです。」と温さん。
あの虎が幼かった時、母虎は亡くなったのでしょう、それから飼育係は犬に虎にあてがったと聞いています」
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