ふたたび「人間の条件」を見て 2
新規投稿者 三木伸哉  投稿日 12/1/19(木) 05:48:18  返信も含め全削除

ふたたび「人間の条件」を見て 2
この映画は昭和34年から36年にわたり制作された。あのころの世相はどうであったろう。昭和34年1月に南極大陸をふたたび訪問した乗組員は、南極の大陸にタローとジローが生き残っていたことがわかり、日本じゅうが、2匹の健気な生き方に喝采を叫んだものであった。その後タローのはく製はサッポロ植物園に展示され、何回か見たこともある。
昭和34年には、皇太子と美智子さんの結婚が行われた。
60年安保の年は「だっこちゃん」がはやった時代、体のあちこちに抱っこちゃんをつけて街を歩いていた人もいた。この60年安保の激動は、戦後の最も過激な学生運動の走りとなっていた。そして61年は、「上を向いて歩こう」の歌詞とメロディーが今でも耳朶に残るような年であった。御巣鷹山でまだ木の間から聞こえるかもしれない。

昭和33年の新卒時代、23歳の時に、オホーツク海の片田舎でむさぼるように読んだのが、五味川純平の小説の「人間の条件」の作品であった。この映画は日本の軍隊の描写のすさまじさを、見事に半世紀前を再現してくれた。この映画は映画館とレンタル版で2回見たが、見るたびに新鮮な印象がよみがえってきたものであった。仲代達也のあのギラギラした表情の、正義感の迸る映像が、まだ蘇ってきたものであったが、今回放映された「人間の条件」は、もちろんリメイク版ではなく、当時のモノクロ映画の再現であった。好みの監督であった小林正樹の映画はほとんど見ている記憶がある。

返信 1 三木伸哉  投稿日 12/1/19(木) 05:49:25  削除
この「人間の条件」も、そして菊池寛賞を受けた「戦争と人間」は、山本薩夫監督であるが「人間の条件」以上に、日本人と中国人、日本の資本家と底辺に生きる中国人の生態を描いて、当時の満州支配を描いた映画としては屈指の内容であると思う。

エッセイを書くのにグーグルをよく調べた。若い人たちの歴史認識が私たちの世代とかなりかけ離れていることを痛感した。読者の皆さんはPCで「人間の条件の映画」と検索されたなら、実に多くの反戦映画とか、小林監督や原作者五味川のあの戦争の怨念という文
字に出くわすに違いない。犬HKという言葉にも出くわした。NHKは国家権力の犬という意味なのであろう。だから私はNHKの視聴率も支払わないという御託を並べている若者もいた。

私のような、あと四半世紀になった人間には、NHKの受信料を払うのは当たり前、ほとんど民間TVはスポーツ番組、時折すぐれた歴史ものなど見ることがあるにせよ、NHKのBCも含めてお世話になっているから、犬HKなどという言葉に戸惑ってしまう。批判精神を持つことはもちろん正しいにせよ、NHKが国家権力にこびていることもあったであろう。一番の問題は現在の若者が中学校校と学校で現代史にふれていないこと、大学センター試験で現代史が出題されないので、現代史を知らないという。

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