中国のいま、最新事情 15no1
新規投稿者 三木伸哉  投稿日 12/9/14(金) 07:37:32  返信も含め全削除
中国のいま、最新事情 15
広東省の小さな村に大事件―村人の手で選挙で村長を

広東省といえば、日本に近い経済特区として改革開放時代、一番先に経済的恩恵を受けたところである。改革開放から30年、大富豪の誕生から貧民、大貧民に階層分化が激しくなった中国では、いつも人民の蜂起が見られたが、最近はニュースにもならない。
しかし昨年一年だけでも9万件の抵抗運動が起きていた。

今度起きたことは、新しい中国になって(1949年以来)まさに画期的な事件である。
事の始まりは、村の書記(一番偉い人)が、ある農民の土地を取り上げ、耕作できないようにしたばかりか、抵抗したために牢に入れたことから始まった。村人たちは日頃の共産党の施政にフンマンを持っていたことはもちろん、貧しい農民層が、ますます身の置き所がなくなっていき、役員や特定の階層だけが富を収奪することに我慢が出来なかった。

ますます膨れ上がる抵抗者、人民解放軍が出てきても火に油、困り抜いた省の幹部が出てきて、「皆さんの望むように収束します」と約束した。
「さあどうする。選挙でこの村の村長を決めよう」ということになった。なにしろ選挙なんかしたことない。お上がいつも決めてくる村長に従ってきたのであった。

返信 1 三木伸哉  投稿日 12/9/14(金) 07:38:35  削除
まず村長は、抵抗運動で一番の立役者の65歳の林 祖恋さん(温厚であるが節を曲げない人望家)彼を村長にした。満場一致、そして村会議員を何人かの候補者をもとめ、投票所を作った。法律書のページをめくり1から勉強、村人は遠くに出稼ぎに行っているから電話をかけて、この日だけは帰ってくるように説得した。
しかし1日かけて帰っても汽車賃が高いから、投票はカーちゃんに任せる。ということも決まった。

投票の日、手元がどんな動きをするかで、候補者の名前がわかるから、手元を見えないように気配りもした。ここらへんはロシアの大統領選挙と違うところである。
厳正な集計結果、7人の村会委員の最低得点者が同数で二人出てしまった。日本なら再投票など実施されるだろうが、村人は「一人二人多くてもいいんでないかい」という話で決着がついた。投票はカーちゃんに任せるとか、定員増で決めるのは、いかにも大陸的である。村長はさっそくこの選挙のノウハウを文書にまとめると言っている。

5時間のバスに揺られて帰郷した貿易会社の青年はこう語っている。
「画期的な選挙であった。これからの中国でこの草の根が広がってほしい」と。
「I have a dream」のキング牧師、「Yes、we can」のオバマ大統領の言葉を、中国の小さな村が実現した。

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