中国のいま、最新事情 18no
新規投稿者 三木伸哉  投稿日 12/9/20(木) 17:22:10  返信も含め全削除
中国のいま、最新事情 18
今年の全人代終わる 2
世界第2の経済成長をなしたげた中国であったが、いままで8%以上の目標が、0.5%とはいえ7,5に引き下げられたことは、何を意味するのであろう。ここに中国のかかえる、最新事情が凝縮さえている。
 私は温家宝首相の最後の演説を、新聞各紙に目を通しながら、そしてNHKの時事公論などのダイジエスト版を見ては纏めておいた。

温家宝首相の全人代の閉幕でのあいさつのまとめ
「経済発展にともない、分配の不公平、信用欠如、汚職・腐敗などの問題が起きてきている」という冒頭の挨拶は、中国が今に抱える危機的な状況を示しているのであろう。
これは今に始まったことではないが、年々中国共産党のかかえる病根の深さを、浮き彫りにさせた言葉であった。

「文化大革命のような歴史的悲劇が、ふたたび繰り返されること可能性がある」と言及。
これは北京を中心に「毛沢東への回帰運動」が起き始めていることへの警鐘である。
「ふたたびあの文化大革命のような失政を繰り返してはならない」という温家宝のことばに、富裕層と恵まれない底辺の人たちの深刻な対立構造や中国共産党への不満が、日常的に繰り返されていることへの警鐘である。

返信 3 三木伸哉  投稿日 12/9/20(木) 17:24:43  削除
これらの発言の背景にあるのは、天安門事件の際に、民主化を求めて立ち上がって死亡したり、怪我をした学生たちを見舞ったという、彼の気持ちが、いまだに脈々と残っていることを示しているのであろう。最高幹部のなかにこのような人もいたことに救われる思いがある。

重慶事件にも言及
中国一の人口を擁する重慶市、1945年の終戦間際、この地は日本軍の壮絶な攻撃を受けた。ハルピン郊外の731部隊のペスト菌、赤痢菌などの散布により、多くの中国人の人命が失われたところでもある。
この市長は、大連時代からその男前の姿を知っていたが、彼は副首長とともに、この数か月、暴力団撲滅キャンペーンを展開し、その治安の回復で市民からは高く評価されていた。
 しかし摘発された中には共産党幹部と暴力団との癒着があり、あまりにも強引な手法、そして副市長のアメリカ領事館への避難などが明るみに出たこと。薄市長自身にも毛沢東回帰運動の旗振りをしていたことも、最高幹部には気に入らなかったのであろう。そして薄氏の奥さんが英国人殺しに関わったとして断罪された。頂点まで上り詰めようとしていた彼のうつろな表情がテレビの画面に見えていた。
最後に温家宝はこう語っている。「私は希望を後の人に託す。私は年老いた馬のようなものだが最期の瞬間まで、力を抜かない」という力強い言葉で締めくくった。
返信 2 三木伸哉  投稿日 12/9/20(木) 17:23:52  削除
中国のいま、最新事情 19
温家宝の力説したかったこと
胡錦涛も温家宝も、次期政権に代わるまであと半年くらいになった。温家宝はこの全人代で力説した次のような言葉が、今後の中国の進路、そして彼自身の人となりを示す言葉として、書いておきたい内容である。
1、        直接選挙 このシリーズの16で書いたように広東省のある小さな村に、村民みずから一人一人の手によって、直接選挙で村長を選んだことであった。この選挙を民主化の先駆けとして、中国の民主化は、全国各地に広がっていくことを求めている。日本なら法律で決めれば解決できそうであるが、地方政府の実態というのもあるのであろう。また憲法改正という手続きも必要であろう。まさに燎原之火のごとくに広がっていくことを願っている。
2、        社会の公正、正義の実現に向けて
「私はかつて、公正や正義は太陽より輝かしいと言った。分配や司法の不公平が、大衆の不満を引き起こしている」と述べた温家宝には、彼への誹謗が、たえまなくつづいているという。心の中では辛い思いがあったとも述べた。
3、        チベット問題
 チベット族居住区での僧侶たちの焼身自殺は、極端な行動にでているので、賛成しかねないが、自殺を図る若い僧侶たちに罪はなく、沈痛な思いを抱いている。
返信 1 三木伸哉  投稿日 12/9/20(木) 17:22:47  削除
 温家宝首相は1989年の「天安門事件」の時、民主化を求める学生たちに、同情的な姿勢であった趙紫陽の側近であった。趙紫陽はその時失脚し、中国共産党から追われた。
彼は側近であったので、民主化を求める政治的改革には前向きな姿勢である。
そして去年(2011年)の春、中東で吹き荒れた、アラブの春の「ジャスミン革命」にも理解を示していた。

このような温家宝首相に反発しているのは、保守派や軍の支配層である。この勢力は中国共産党の生え抜きの存在であるが、いま時々刻々移り変わる世界の情勢に、古き良き時代の共産党への回帰を目指している人たちであろう。

開かれた多くの共産党員も、人民にも、中国の抱える非民主化、腐敗・汚職。格差の拡大の不満は、年を追って激しくなり、むかしは国内で隠ぺいできたものは、今ではそうはいかない、国民の3割以上がインターネットを楽しむ時代、スマホも輸出しているような中国になったから、中国に不都合な情報を完全にシャットアウトするような、時代錯誤はできなくなった。依然として規制が厳しい中国ではあるが、「村長を村民みんなで選挙しよう」というかが広がっていくであろう、そして温家宝自身もそれを推進しようとしている。

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