<13>注文生産の市場概念の確立を
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 08/8/24(日) 19:53:18  返信も含め全削除

1.談合問題を徹底的に料理する
 談合は法律に抵触する犯罪であり、発覚すれば大きな制裁を受けることになるが、談合は一向に減らないのは何故であろうか。発覚した場合でも、放置しておくとすぐに息を吹替えしてしまう。談合は犯罪であるのに罪の意識も希薄である。そのためか終息する気配が非常に弱い。談合は闇の世界で息をこらして静かに生き続けており、要請が強くなれば一挙にそのパワーが強大化し動き出すのである。これらの一連の現象を必要悪という表現で表すのであろう。談合は、犯罪行為であるから、正式に土俵に上げて議論することはできない。しかし、社会学的な見地から科学的に解明することは許されることであり、談合問題をまな板の上で徹底的に料理する必要がある。その上で談合が発生する要因を解明し、その根源を明らかにすることができれば、談合に終止符を打つことができるかもしれないのである。

2.注文生産の市場の概念を確立すること
 建設業界では、請負契約の段階で多くの不具合を抱えたまま放置されているため、一向に解決することができない点を嘆いている。この点を業界関係者は、請けて(受けて)負けるから請負だと言い、負けることが当り前と思っている。何故ここまで負い目のような環境ができてしまったのであろうか。このような愚痴に近い意見を十年何百年と繰り返してきたが、一向に解決する兆しがなく、未解決のまま放置している。この未解決で放置される大きな理由は、注文生産に関する専門の「市場の概念」がないことに起因している。先物売買のように専門の市場が用意され、先物売買の概念が確立していれば、専門家による研究も進むし、市場システムも進化していくのであるが、注文生産の市場には、その概念も確立されておらず。専門の市場も用意されていない。ただ商品生産の市場システムを借用して取引しているのである。その意味では、注文生産の市場が未熟のまま放置されているというより、注文生産の市場が継子扱いになっているのである。

3.品質と価格のバランスがとれない注文生産
 商品生産の市場は、既製品を売買する市場であり、既製品を売買する仕組みで進展してきた市場システムである。しかし注文生産は、未生産の段階で売買するシステムであるから、通常の商品生産市場のシステムとは全く違うのである。それにもかかわらず特定された専門の市場概念が確立されていない。そのため商品生産の市場システムを借用して運用するため、各種の不具合を起こしている。注文者が一定水準の品質の生産物を想定しているのに、注文段階に過度の競争原理が作用すると、注文者の品質想定とは別に、価格競争だけに強大なパワーが作用し始めるのである。つまり品質と価格のバランスが取れない状態で競争原理が作用してしまうのである。これが商品生産市場の欠陥である。商品生産市場では、品質が既製品のため固定化しており、価格だけが競争原理によって変動する仕組みである。つまり、商品生産市場においては価格だけに神経が集中できる仕組みであるが、注文生産市場では、品質や機能等が決まらない限り、価格交渉ができない仕組みになっているのである。

返信 ご意見やご質問をどうぞ

パスワード

一覧へ戻る】 ※最新の画面を表示するには再読み込みしてください.