<14>談合をなぜ必要悪と言うか
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 08/8/31(日) 22:38:04  返信も含め全削除

1.自由義経済を冒涜してはいけない
 談合はどんな理由をつけても法律に抵触する行為であるから悪であり、「必要悪」なる言葉が存在すること自体おかしな話である。それにもかかわらず「必要悪」なる言葉が、今日まで生き長らえてきたのは何故であろうか。談合の目的は、自分のビジネスを有利に進めるための行為であるが、具体的な行動の中に、施工業者同士の話合いで、発注者との交渉権の順位を決める行為である。この行為に関する問題点としては、法律に抵触するという法律論の問題だけではなく、経済学、社会学の視点からみても自由主義経済の理念に反する行為であり許されることではない。つまり発注者が建設市場において、自由に施工業者を選択する権利を奪う結果となるからであり、自由主義経済では、発注者と施工業者は真に対等の立場で自由に契約する環境でなければならない。しかるに密室において発注者の自由裁量権を奪う談合は、自由主義経済の根本原理を否定する行為であり、自由主義経済社会を選択している現代社会では許されるものではない。

2.益々競争の激しさを増す市場の動向
 市場での競争により「良いものが安く」提供する仕組みが、市場経済の構造であり、計画経済に対して市場経済の優位性が評価されるのは、競争の機能が良好に作用する仕組みである。しかもこの市場システムが、激しい競争にも耐え得るシステムである点である。近年の市場主義経済の台頭は、全ての行為を市場原理に委ねる方向で動き出しており、これに代わる適切な経済システムは見つかってはいない。しかし近年の世界経済は、グローバル化現象によって、あまりにも激しい競争環境になってきた。この激しい競争原理の作用による不具合が今後の市場経済の課題である。地球規模の一体化した市場で、国別の特性や企業規模の棲み分けが難しくなり、同じ市場の中で激しい競争する環境となったことである。競争は決して悪いことではなく、地球上全ての人間が競争原理を平等に享受できる点は良いことであり、商品生産市場ではあまり問題がないのである。これに対して注文生産市場は、競争原理の激しさに比例して不具合が増加する現象をどう解決すべきかが問題である。

3.注文生産の不具合の研究を
 商品(既製品)生産市場は、激しい競争に耐えられることは実証されているが、注文生産市場の不具合は未だに解決していない部分が多い。特に近年のグローバル化による新しい競争の始まりは、注文生産市場に多くの不具合をもたらしている。生産する前に限度を越えた激しい競争原理が作用すると、注文生産市場のシステムが破壊されてしまう。限度を越えた競争により注文生産市場は、乱暴な価格競争になり、生産物の品質劣化や機能劣化、使い勝手の不具合等、様々な不具合が急速に増加する。商品生産市場では、商品の価格が高ければ市場競争に負けるし、品質等劣化の商品を市場に提供すれば、その場で競合品に負けて市場から追い出される結果となる。この現象は現品と代金の交換であるための市場の作用である。これに対して注文生産市場が不具合なのは、生産が売買契約の終了後になる点である。品質等の現品確認が引渡しの時点でなければできない点にあり、この不具合の解決すべき研究機関が必要かも知れない。

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