<30>一般競争入札の補完論法に疑問
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 09/1/11(日) 22:27:57  返信も含め全削除

1.既製品市場のうつわで注文生産の取引は無理
 法律に抵触するにもかかわらず談合が絶えないのは、単なる建設業界のビジネス上のエゴによって起きているものばかりではなない。繰り返しになるが注文生産市場の取引に、あまりにも多くの不具合が生ずるのは、不具合の要因を未解決のまま放置したままであるからである。つまり市場経済は既製品を売買する仕組みで発展してきたシステムであるため、市場経済の基本的システムが注文生産市場に合わず、不具合を放置したまま強引に既製品の市場システムに当てはめようとした点に無理があるのである。つまり、既製品の市場経済のシステムのうつわでは不向きであり、高度な注文生産の取引形態の全てを囲い込むことが無理であり、その無理が談合等の不正行為を誘発する原因ともなっている。

2.取引相手は神様ではない
 注文生産の取引は、現品を生産する前に市場の激しい競争にさらされる。取引の双方が神様であればいかなる事態が起きようが、不正を行わないであろうから問題にはならないが、この世の取引相手は人間である。人間の考え方や行動には、性善説や性悪説があるように神代の時代から論議されているが、未だに善悪論には結論が出ていない。当り前であって人間は神様ではなく人間だからである。悲しいことであるが、今後も永遠に人間は神様にはなれないのである。この心が揺れている人間のビジネス行為は、常に取引の実態に善悪論が付きまとうのである。神様の視点で見る性善説の取引ばかりではないのである。

3.一般競争入札は注文生産市場には不向き
 市場経済の中で注文生産取引に不法行為が発生しにくい研究はされている。現行法令の規定では、公共調達の場合は会計法の規定によって、一般競争入札を原則としている。しかし現品を確認できない取引段階で、一般競争入札が大原則になっている規定に、業界関係者は悩まされている。この一般競争入札の規定は、既製品市場においては基本的には成立するし、大きな不具合は起きてはいない。それは現品確認の上で取引が成立するのであるから、双方が納得して合意できるからである。ところが注文生産の場合、現品のチェックができないことがすべて不具合の要因となっている。

4.注文生産市場の規制
 誰でもいいから一番安い生産者に発注するという一般競争入札のシステムは、市場論として取引双方の対等性を保つことは難しい。そこで建設業法は、「誰でもいいから」という部分には、建設業法の中で一定水準の条件を満たしたものでなければならない規定がある。経営者の経験年数や基礎的財産を有すること。施工実績についても公表することを義務付けている。近年は更に、品確法や適正化法、総合評価方式等次から次へと新しい条件や取引方法に関する厳しい条件が出てくるが、これらをクリヤしなければ入札参加が難しい。そのため近年の一般競争入札の制度は、実質的に骨抜けになってきた。もはやこれでは一般競争入札の意味を失っていること暴露しているようなものである。そうであれば、注文生産の市場論として白紙の状態から論理的に研究すべき時期に来ているのではないだろうか。

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