<34>市場の発展段階に競争入札の不具合のヒントが
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 09/2/9(月) 18:52:15  返信も含め全削除

1.一般競争入札制度の経緯
 今日のような高度に発展した市場経済の中で、一般競争入札は多くの難問を抱えたままで無理な運用をしている部分が存在する。注文生産についての競争入札は、不具合な部分が未解決のまま今日まで放置されている。この注文生産の市場の難問を解明するためには、人類が経済活動を始めてから今日の市場経済まで発展してきた経緯の中に、悩みを解決するヒントが存在する可能性がある。なぜなら経済活動の進化の過程は、進化自体に必然性があり、この必然性にカギがあると思われるからである。注文生産市場の高度な進化の過程の中で、当初から不具合な一般競争入札が、原則規定として採用されたことに疑義がある。一般競争入札は進化の必然性にから出現したものではなく、人為的経済政策として導入された制度である。現行会計法の原形は、明治22年に制定されたものであるが、この時代の日本市場経済の現状は、今日のような高度な市場経済の状況ではなく、未熟で幼稚な市場であったから、政府としては先進国並の市場制度に追いつくために、先進国並みの競争原理を導入したためであろう。これが今日の一般競争入札を原則とすることになった理由であろう。

2.市場経済発展の経緯
 原始時代の自給自足時代は、命を長らえるための行為であり、経済の活動としての行動ではない。自分達が消費する以上に生産された場合があったとしても、同じ部族内で余剰な生産物は共有化され、物々交換されるものではなく、原始共産主義の時代の生活様式である。その後に小集団が大集団に拡大するにつれ部族内部は小集団に分裂する。小集団は一族を中心とした集団化が進み、この小集団の単位間は、縁戚関係も薄れ他人意識の独立した小集団化が進むのである。この独立した集団の間で余剰生産物の交換の始まりが、経済活動の始まりと見ることが出来る。この物々交換は現品の交換であるから、双方が提供する品質や数量が等価になることが重要であり、双方が納得して合意することが取引成立の条件となる。物々交換が市場経済の原形になる所以である。然るに注文生産の競争入札制度は、この物々交換に見られる対等性や現品チェック等の納得性の状況と比較すれば、注文生産市場の一般競争入札の市場は、対等性が不安定であり、取引形態に無理が生じてしまうのである。

3.一般競争入札は一種のミスマッチが生ずる
 物々交換のように取引双方が現品を確認し、品質等の納得ができるような確認が出来れば別であるが、注文品の購入者である発注者は、現品の確認ができないものを注文しなければならないため、設計図や仕様書等で自分の求める品質等を確認しなければならない。また生産者に適切に伝わらない場合もあるため、生産仲でも頻繁に打合せが必要となることも多い。発注者が主張する実績主義を重視する理由は、実績があれば品質等の想像が容易になるから当然である。その実績主義を重視すれば指名競争入札となるし、更に実績主義を強化すれば特命による随意契約となるのである。物々交換のような納得できる取引形態は、特命による随意契約になる必然性がある。なぜなら、注文者の立場からすれば信頼がおける生産者を探すことが第一のポイントであり、納得できる価格を随意契約で探ることになるためである。納得できなければ取引を中止すればよいのである。

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