建設産業研究部会

2001/9/24
改訂 2001/11/26

建設-1<工事原価の本質>
[原価縮減の原理]

建設-1-20<技術的工事管理と経営的工事管理>(現場は技術的管理に専念すべきである)

 工程管理、品質管理、安全管理及び原価管理は、技術的管理経営的管理に分けることができる。技術的管理は、現場の施工に関するもので工程管理、品質管理、安全管理である。経営的管理とは、現場の経営的視野に立った工事管理のことで原価管理をいうのである。したがって、工程管理と原価管理は本来性格の相違するもので分離してかんがえるべきである。技術的管理は、現場において技術者が専念すべき管理であり、経営的視野が要求される原価管理は、当然本社の経営管理者の視点がなければ本格的管理ができるものではない。この分離しなければならない管理を共に現場代理人(技術者)が担当するのは気のどくであり、本格的にはできないのである。

建設-1-21<技術的管理の統合化>(品質管理とISO及び安全管理を工程表と一体化が重要である)

 技術的管理は、時系列化した工種別管理とISOをベースとした品質管理、工種別視点の安全管理を統合化させて実行すべきである。何故なら時系列による工程表に、平行してISOの品質管理が必要なものであり、本来、工程管理とISOが独立して管理するものではない。これを別々に管理するものと勘違いしているひとが多い。ISOは日々実施する品質管理であり、工程管理と別個にできるものではない。また、安全管理についても、工程別の工種に安全管理が必要なものが多く、工程表に統合化したもので安全管理することがもっと有効に機能するのである。

建設-1-22<経営的管理と技術的管理の接点>(管理可能費という比例費がコストダウンの決め手である)

 経営的管理の道具として用いられる原価管理と、技術的管理の工程管理は重要な接点をもっている。管理可能費の項目で解説したように、管理可能費をコストダウンとして誘導することが重要である。管理可能費の大部分は、加工費であるから、加工費を管理することがポイントである。加工費とは、労務費、外注費(材料費を除く)、経費であり、加工費は典型的な時間に比例する費用(比例費という)である。つまり管理可能費は時間短縮によって大幅にコスト削減につながる費用であり、コストダウンの決め手は工程管理を中心とした時間管理をすることである。

建設-1-23<工程管理の真髄>(あなたはコスト縮減のノウハウを持っていますか)

 工程管理は、時系列的に作成するものであり、この時系列の工程表にISOが時系列的に統合化され、工種別に安全管理の注意事項を統合化し、時間短縮の施工努力をすれば大幅なコストダウンになるのであるから、すべての工事管理は、工程管理に集約されることを認識すべきである。このように、原価縮減は、単純明解な原理であってこれ以外に大幅な原価縮減の方法はないのである。現場の技術者の考え方と実行力にかかっているのである。現にこの方法で実績を上げている業者がいることを留意してほしい。「工程管理革命の実践」参照

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