建設産業研究部会

2001/11/26
改訂 2001/12/04

建設-1<工事原価の本質>
[工事別原価と費目別原価の接点]

建設-1-24<実行予算の予算費目>(実行予算は工種別費目積算になっている)

 建設工事は、工程の進行に合わせて順に積算される為、施工の進行順工種として見積計算が行われるため下記の表のように作成される。この場合、工種別に施工面積や重量等に積算予算単価を乗じて予算金額が見積もられる。したがって、原価費目の内容による材料費、労務費、外注費、経費の費目別積算が軽視される。しかし、原価は費目別に発生するものであり、工種別の積算では科学的な緻密な原価資料で記録することが不可能に近く、大きな欠点を持っている。

工  種 A 工 事 B 工 事 C 工 事 合  計
見積原価 1,000  1,400 1,800 4,200

建設-1-25<事務系の原価費目>

 事務系では、決算報告のため下記の完成工事原価報告書を作成しなければならない。そのため、工事原価集計のための工事台帳や原価計算表の内容は、すべて材料費、労務費、外注費、経費の4項目で捉えられる。これを原価の4要素という。この点で事務系の原価計算表と実行予算の接点がよくないのである。

     完成工事原価報告書     

1.材  料  費 900
2.労  務  費 1,200
3.外  注  費 1,500
4.経      費       600
      完成工事原価   4,200
             

建設-1-26<技術系原価費目と事務系原価費目の接点>

 技術系の実行予算はA工種・B工種・C工種等、工種別に分類されるが、事務系は材料費・労務費・外注費・経費に分類される。原価計算表では下記のように行と列の関係になるのである。しかし、両者の相違は、原価の形式的分類の相違ではなく、原価思想に大きな差異があり、双方の相違を検討することが重要である。

費   目 A 工 事 B 工 事 C 工 事 合  計
材 料 費 200 300 400 900
労 務 費 300 400 500 1,200
外 注 費 400 500 600 1,500
経   費 100 200 300 600
合   計 1,000 1,400 1,800 4,200

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