新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 9/15(水) 07:21:37
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1.積極的利益確保と市場原理の作用
企業経営を最低限維持するためには、一定額の売上高(完成工事高)と最低限の利益を確保することが必要である。しかし実情は公共工事削減時代に入り予定の売上確保が難しい状況である。特に公共工事が中心の建設業者にとっては死活問題である。この状態の中で建設業界はどのような対応法があるのか。なかなか起死回生の方法は見つからない。経営健全化の積極的手法としては当然売上拡大であるが、公共工事削減時代に売上拡大を図ることは激しい競争を引き起し、すでに建設市場において始まっている。その結果、工事利益率が大幅に低下しているのが現状である。つまり積極的に利益拡大を狙うための売上確保の行動自体が競争を激化させ、結果として初期の目的の利益確保ができない環境をつくり上げてしまう。市場経済の競争原理の作用である。しかも市場の縮小時代は過度の競争原理が作用するから始末が悪い。そこで民間工事に参入しようとしても民間市場は更なる激しい競争が待っている。公共工事中心の建設業者は長い間、入札環境のよい温室育ちで、ひ弱な体質で激しい競争社会には生き残れない弱い体質となっている。
2.建設業界の体質と世界市場の原理
市場経済において経営力の強い企業は、良いものを安く作れるノウハウを持っている。市場経済において当然のことで良いものを安く作れば市場で認知されるのは当たり前である。しかし、長年続いた建設業界の談合体質は、良し悪しは別にして良いものを高く作る体質になっている。他産業は国際化が進む中で良いものを安く作る原理が地球規模で作用するため、工場を海外に移転をせざるを得なくなったことは、市場原理が作用したためで良いものを安く作るための現象である。これが産業空洞化を引き起こし日本も諸外国と同様に大失業時代に入ってきた。世界最高の賃金国が軒並みに影響を受け、賃金の高いドイツは大失業化が起きている。流通業界は世界市場が一体化しているため当然起きた現象である。幸い建設業界は地場密着産業のため世界市場の影響を受け難い業界のため、世界市場の競争原理を知らないまま今日まで生きてきてしまった。このひ弱な企業体質をどう変化させるべきか。
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