新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 9/22(水) 21:28:14
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1.良いものを安くつくる認識に課題が
市場経済において良いものを安く作ることは当然のことであるが、日本は従来から良いものを作ることは原価が高くなると思い込んでいる。これは生産手法を一定とすれば基本的には正しいと考えてもよいが、生産手法は限りなくあるのであり、この考え方には多くの勘違いする要因が潜んでいる。その主な原因は当初から良いものは生産コストが高くなると思い込み、生産する前から良いものを作るのであるから、原価が高くなるのは当たり前であると思い込んでしまうからである。これではコストを下げるための努力が最初から不足しているのである。これが人間の情緒的特性であり、この人間の特性がコスト削減の大きな阻害要因となるのである。何故なら現場の技術者がよく主張する「良いものを作るには掛かるものは掛かるんだ」という認識が強く、これが現場担当技術者の頭から離れないようである。しかし原価というものは猫の目のように変化するものであることを忘れてはならない。
2.物づくりには生産手段を想定する
商品生産であれば工場の建設や機械設備等を設置して生産開始する場合、それらの生産設備等の償却コストや材料費が発生する。そのため工場建設や機械設備投資前に生産コストが想定される。建設業の場合であっても建設機械や作業員等の生産資源となるものを想定すると、その生産コストも想定される。これが実行予算であり建設業界では原価管理に利用されている。しかし繰り返し解説したが実行予算制度では原価管理の機能が弱い。科学的に工事原価の発生メカニズムを分析すれば、その変化の恐ろしさを知るであろう。
<次回から連載の工事原価発生のメカニズムで検討してください>
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