135.材料費の管理と加工費の管理<その12>
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 12/15(水) 22:03:25  返信も含め全削除

1.材料費の管理は現場でできない理由
 材料費が原価として確定する要因を整理すると、現場の責任となる要因が非常に少ないことが分る。更に材料費の発生状況を施工の進行との関係で整理すると、現場の施工時間に関係なく発生するのが材料費の特色である。つまり施工期間が1ヵ月の工事を3ヵ月かけて施工したとしても材料費の額に変化はない。材料費は施工時間に対して変動しない固定費の性質をもっている。材料費の額が変動する要因は現場でなく購入条件に集中する特色がある。そのため材料費のコストを下げる責任を現場責任者に持たせることは間違いである。現場責任者が未熟練工を配置したために生ずる施工ミスによって、余分な材料を消費した場合を除けば現場の責任になることはない。この現場で管理できない材料費を実行予算に組み込んで管理すること自体が意味がないのである。したがって材料費だけは現場で行われる原価管理の対象外とすべきである。

2.現場は加工費を管理すべき理由
 現場において管理することでコストが下がる大きな要因は、工程管理における施工時間の管理で成果が上がるのである。つまり材料費は施工時間に関係なく発生するから、現場で管理することができないが、総原価から材料費を控除した加工費は、施工時間に比例して発生するため、現場の技術者の原価管理は、加工費の時間管理に徹するべきである。つまり加工費は典型的な時間比例費であるから、時間比例費を管理することが本来の原価管理である。したがって、材料費は本社等の材料購入センターで管理すべきものであり、現場は加工費中心の管理に特化すべきである。

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