152.実行予算の歩掛計算思想の解明
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 4/13(水) 10:37:56  返信も含め全削除

1.実行予算の歩掛計算の手法と課題
 歩掛計算の基本は、その全作業量を計測等によって把握するところから始まる。作業量が把握できれば次に1日1人当りの施工可能な作業量を検討する。これを1人工と呼んでいる。この人工計算によって総人工数を把握する。例えば作業員1人が1日に2㎥を施工するとして、総作業量が100㎥あるとすれば、総作業量100㎥÷1日1人当りの作業量2㎥=50人工と計算される。1人工\10,000とすれば、50人工×\10,000=\500,000となり、労務費の実行予算は\500,000となる。しかし、この歩掛計算法を実行予算に用いるには多くの課題が潜んでいるので注意しなければならない。

2.歩掛計算と工期の関係
 歩掛計算は、一般的に作業員数の確保が先に検討される。現場の作業員数が確定すると総人工数で割って作業日数を計算する。例えばそう作業量が50人工として、現場で担当できる作業員数が5人とすれば、50人工÷作業員数5人=作業日数10日となる。もし担当できる作業員が2人しかいない場合は、50人工÷作業員数2人=作業日数25日となってしまう。このように人工計算は担当する作業員数によって工期が大きく変動するのである。

3.原価管理の道具と歩掛計算はすれ違いが発生する
 人工計算思想による歩掛計算では、50人工×\10,000=労務費\500,000となり、作業員の人数に関係なく\500,00となり一定である。しかし、その作業に仮設材等のレンタル料を加えて考えると総原価は一変する。例えば仮設材の1日のレンタル料が\20,000とすれば、作業員数5人の場合の作業日数10日で計算すると、レンタル料\20,000×作業日数10日=仮設費\200,000となるし、作業員数2人の場合の作業日数25日で計算すると、レンタル料\20,000×作業日数25日=仮設費\500,000となる。原価管理の目的は原価の発生要因を管理するもので、歩掛計算の思想とはすれ違いが生ずることを注意しなければならない。

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