156.実行予算のモノサシが何故狂うか
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 5/18(水) 20:44:47  返信も含め全削除

1.発注者との営業取引は明快さが重要
 見積書の計算方法は、容器一杯分の料金を確定させ、これに数量を乗じて算定する方法である。発注者と元請間の請負金額を算定する場合には、生産物の質が一定であるとすれば、容器一杯分の価格によって高いか安いかの判断が容易にできるのである。この容器一杯分の単価に数量を乗ずるだけで請負金額が明快に算定することが出来る。これは前項で述べたように客と施工業者間の判断基準としては、これほど明快に納得し理解できる計算方法は他にはない。そのため発注者と施工業者の営業においては、ドンブリ容器による計算方法が重要な計算方法となるのである。この営業に用いるドンブリ勘定が、実行予算に引継がれ原価管理に用いられることに問題があるのである。

2.工事管理上で実行予算がなぜ狂うか
 原価管理としては、容器でもって管理することは不可能に近いのである。なぜなら、容器計算の場合は容器一杯の料金が確定していることを前提とした計算手法である。しかし原価発生のメカニズムは容器一杯分の料金が確定させることは難しいのである。材料費だけはドンブリで正確に計算できるが、作業員の賃金は、容器一杯分の仕事を一日で施工する場合と、怠けて倍の二日で施工する場合とでは、労務費の額は大きく変動する。つまり、予定された施工時間と実際施工時間が変動すれば、一杯分の労務費は簡単に変動するため、一挙に容器一杯分のモノサシが狂ってしまいドンブリ計算が不可能になる。労務費の他に重機や仮設材のレンタル料等の時間に比例して発生するものが他に沢山ある。予定時間と実際時間がズレる要因は、雨降り休みや住民の苦情等による工事中断など、数え切れないほど多くの中断理由が存在する。原価は容器で計算できないものである。

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