162.下請叩きの兆しとゼネコンのお粗末さ
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 6/29(水) 22:37:56  返信も含め全削除

1.元請による下請叩きの実態
 発注者と元請の建設業者は、対等の立場による双務契約となってはいるが、受けて負けている関係であるから請負業(受け負け業)であるという。一頃と違って近年はかなり改善されたと言われているが、請負業者の精神状態は依然として同じ状態にある。発注者と施工業者が今後も対等になることは非常に難しい。それは立場による心理的なものが作用するからで、今後もこのような精神状態は避けられない現象である。これが元下関係になるともっと深刻で、元請の現場代理人は、下請業者の扱いについては、本人は気がつかないで奴隷のような扱いすらしている場合がある。当の現場代理人はその様な自分の行動に気がついていないで下請いじめをしている。そのため下請叩きが日常化してしまうのである。建設業法上は、元下関係を厳しく正当な契約主義をとっているが、契約書なしで施工が先行している場合も多く見られ、工事終了後に契約書や注文書が形式的に作成するようなことも日常化している。書類主義の契約書自体が形骸化している。しかしここに問題になることは、工事終了後から金額叩きが始まることである。市場経済化が厳しくなる一方であるから、残念なことであるが益々この横暴な下請叩きが横行する兆しが出てきた。

2.元請業者による下請業者叩きが何故横行するか
 下請叩きが起きる最大の要因は、予定価額の算定に深く関係する。建設業界の施工実態調査機関が、実際原価の実態を調査し、実際単価の全国平均を算出し公開している。これが予定金額算定の基礎となる基準単価である。この実際平均単価に正確な施工数量を乗ずるのであるから、正確な全国平均の実際原価が算出される。そのため予定金額は全国の実勢原価であることは間違いない。この実勢金額が市場において大競争の結果、大幅に低価額(業界関係者はダンピングという)で落札する現象が起きている。そこで、ゼネコンの生きる方法として下請叩きが当然のように始まるのである。これがゼネコンとしての大義名分であり、下請に対しても当然に低価額を強要するのである。ゼネコンの横暴とお粗末な体質が目立ち始めている。(次回に続く)

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